羽田アクセス路線についてひたすらひたすら妄想してみる

JRの羽田延伸の話が盛り上がっていていろいろな憶測が出ていますがせっかくなので憶測ではなく妄想をだらだら書き連ねてみようと思います。今までここに書いたことともかぶりそうですけれど気にしない。




まず、おもしろいのはJR本体と京浜急行東京モノレールとの関係です。ご存じの通り東京モノレールJR東日本の子会社。競合するというよりは相互補完の関係を築くと考えるのが自然です。
それに対してJR東日本京浜急行はもろに競合しています。川崎横浜間の追いかけっこに代表されるように京浜間でもライバルです。ところが今後品川駅の再開発をするとなるとある程度協力もしなければなりません。片手で握手しながら片手で殴り合うという比喩がされるような状態になるんですよね。品川駅はJR東海も絡むからまたやっかいで傍目にはおもしろいです。


東海道貨物線を羽田アクセスに使うという話は別に新しい話ではなく昔からアイディアレベルではいわれていたことですが、JR東日本が公式に発言したから話が盛り上がっています。個人的には実現性に疑問を持っていますが夢がある話ですよね。
実際に羽田空港を「通勤」で使ってみましたが、交通機関は飽和していません。決して余裕は無いけれど捌けています。京急東京モノレールでは二進も三進もいかないから救済するという目的はないでしょう。逆にJRが乗り入れる形によっては輸送力が過剰になりすぎて問題になるかもしれません。言われているように東北縦貫線上野東京ラインから直通させることになったら15両編成の列車が通ることになります。モノレールは中量交通機関だし、京急羽田線はMAXでも18m車両が8連、そこに20m車両15連、単純計算で京急の倍の輸送力を持つ交通機関が来るわけですから、一気に倍近い輸送力を確保することになります。運転間隔はここでは考慮していませんがそれはまた後で書くことにして……。
不気味というか不思議なのは、ここまで東海道貨物船の神奈川方面との接続については全く言及されていないことです。神奈川方面は京急に全部くれてやるということなんでしょうかね。ボリューム少ないのかなぁ。


俺が思うにこの計画の肝はりんかい線の国有化じゃなかったJR化だと思っています。そのための理由付けとして羽田アクセスがあるのかもしれないとすら思っています。前にも書きましたが、りんかい線が東京貨物ターミナルとつながると、そこそこ逼迫している遠く離れた武蔵野線西側にその効果は波及します。東北方面から東京貨物ターミナル、さらにはその先の名古屋方面に向かう貨物列車を東側からも通すことができます。そのルートが確立すれば、隅田川貨物駅と東京貨物ターミナル間の連絡にも使えるかなと思いましたが、配線を思い浮かべるとどうやってもスイッチバックが発生するので厳しい気がします。もしもやるなら越谷貨物ターミナルになるんだろうなぁ。沿線住民としては寂しい話ですが、もしかすると隅田川貨物駅の廃止、または縮小にもつながるかもしれません。もちろんモーダルシフトが進んで貨物の輸送力が逼迫すればそんなことは起こらないと思いますが、再開発でイメージが変わった、実は非常に便利な南千住周辺を田町品川エリアのように再開発するという可能性もないとは言い切れません。でもきっとあそこはJR貨物の持ち物ですよね。どうなんだろう?
もともとりんかい線の目的は貨物列車のバイパスルートなのできわめて自然な妄想だと思っています(笑)。


さて、話を戻して。先ほどスルーした運転間隔について触れましょうか。壮大な計画が実現されるとなかなか厳しいものがあるんですよ。
羽田空港から東京貨物ターミナルまではいいとして、その先新木場方面と東京方面、そして新宿方面に分かれます。もしもそれぞれを10分に1本走らせたらダイヤがぎちぎちになります。10分に1本というのは京急快特と同じです。特に空港に行くときは運転間隔ってすごく意識しました。俺は行きはモノレールに乗っていましたが、ラッシュ時なので1本か2本待って座って、荷物を荷物置き場において乗っていました。頻繁に運転されているからそれができました。もしも30分に1本だったらそんなわけには行きません。レベルは違うのですが、札幌から千歳への足はバスもJRも15分に1本でしのぎを削っていました。東京よりも多少時間の流れがゆっくりしているようでなんとなく許容範囲に収まっていました。
飛行機を降りた後の帰りはまた気分が違っていて、多少時間がかかっても、待っても、お金がかかっても、乗り遅れる心配はないから快適に座って帰りたいという意識が強かったです。そこで選択肢に上がったのがバス。北千住行きのバス、高いんだけれど夜ラッシュの都心をパスできる上に速くて一度乗ったらやめられなくなっちゃいました。
JRの羽田アクセス路線ができて、上野東京ライン経由で常磐線まで来てくれたら、行きは使わないと思いますが帰りは使う確率が高いですね。それなら30分に1本でもいい。でも1時間に1本だったらちょっと無理かなぁ。
最近のJR東日本の施策を見ると、下手したらALL2階建てグリーン車5連の車両を用意して各方面に分割併合して走らせるかもしれません。成田エクスプレスのように。それでも今計画されている3つのルートだとダイヤ厳しいんですよね。東京貨物ターミナルで分割併合をすると所要時間に効いてくる。あそこに駅を作っても需要は限られていますし。新木場方面、東京方面、新宿方面はそれぞれ独立させるとしたら、新木場方面は新浦安あたりで蘇我方面と武蔵野線方面に振り分ける。東京方面は上野で常磐線を分けてその先は東北線高崎線へ。新宿方面は新宿で中央線と東北線高崎線方面に振り分ける。そんなめんどくさいことはしないのかな。でも中央線方面はかなり需要がありそうですよね。
成田アクセスに使えるかというとかなり厳しくて……。一番方向が合っている新木場方面は、最低1回はスイッチバックしないといけません。蘇我、大網、成東、佐倉ルートです。遠回り過ぎる。絶対あり得ない成田線我孫子経由の方がまだ現実味がありそうです。いや、それなら新宿か大崎スイッチバックの方がまだましかも。


いろいろ妄想してみましたが、結局りんかい線をJRが買収するだけで終わる気がしています。そしてそれこそがJRの狙いなのかなぁと。
さて、いくつかは当たるでしょうか?(笑)