トランプショックで問われるヘッジファンドの真価

アメリカ大統領選挙後の相場の動きがひどいことになっていました。株も通貨もわけがわからない状況です。
一時期、本物のヘッジファンドに関係するお仕事をさせていただいていましたが、こういう動きの時にヘッジファンドの真価が問われるんですよね。


案外と誤解をされていて何度かここにも書いていますがヘッジファンドはこういうときに大儲けをしてはいけないんですよ。それはそれで価値が下がります。
ヘッジファンドは相対的な利回りではなく絶対的な利回りを追求することを目的にしています。
つまり、今回のように相場が乱高下する事態でも安定してあらかじめ予定していた利回りを得ることが投資家から求められていますし、運用担当者はそれを目指しています。
たとえば1%の利回りを確保することを目標としているファンドの場合、相場が全体として10%下落したときにも1%の利回りを確保することが求められます。逆に相場が全体として10%上昇するときにも10%ではなく1%の利回りを確保することを目標にしています。
あの世界ではマイナスだけではなくプラスのリスクもあって、そのリスクを避けるのがヘッジファンドの根本的な考え方であるということです。
相場の上昇局面では相対的には低い利回りになりますが、投資家の多くはそれを承知の上でまさに「リスクヘッジ」のために投資をしているのです。


しかし、現実はそう甘くはなくて、相場環境に呼応する形で利回りが決まってしまうことが多いようです。
今回の一件でどういう運用利回りを確保したのか興味はものすごくありますが絶対に表には出てこないだろうし、もし私がそれを知りうる立場だとしたらこんな記事を書くこと自体が守秘義務違反になるんだろうなぁと思いますから、決して本当のことは知ることができないんでしょうね。
もしなにか数字が出てきたとしてもそれはそれを伝える人によって都合のいい数字でしかありえないはずです。