「ごーるど銀賞:『まほらば』書評他に無い構造の特殊さ」
まほらばという上質な物語の構造について解説されています。
同意します。そしてそれこそが、この作品の「せつなさ」であると思います。登場人物も読者もいつまでも「温い」世界に立ち止まっていたいと願っている、しかしそれはかなわぬ夢である。そこがこの物語の肝になっていると思います。
手法的には言葉を極力廃しているところが私にとっては珍しく驚嘆していますが、物語としては筆者のはし様の考えは正解でしょうね。
まほらばについては最後に書きたいことがあるんですが、年内には単行本最終巻が出ると思うのでその時にします。平井和正氏による「高橋留美子の優しい世界」という言葉がありますけれど、高橋留美子さん以上に優しさを感じる世界です。めぞん一刻的な基本構造を持つだけによけいそれを感じます。
高橋留美子作品について
ちょっと反則気味ですが、上で書いて思いだしたので今日書いてみます。
高橋留美子作品の単行本はらんま1/2の途中で買うのをやめてしまいました。私のストライクゾーンからははずれてしまったんでしょうね。
ところが・・・
そういう読者を選別した今でも高橋留美子作品は多大なる人気を誇っている。これは恐ろしいことです。それぞれの作品で違う読者層を得て、しかもそれが「商業的な成功」というレベルに達しているんです。
高橋留美子さんを「天才」と表現する人も多いようですが、私もやっぱそうなのかなと思います。なんせ、あのうる星やつらとめぞん一刻を同時に連載していたんですから。あの二つの作品はそれぞれ違う意味でその後の漫画に多大な影響を与えている。それを同時に書いていたってものすごいことです。
さて、今連載中の犬夜叉。私のストライクゾーンには入っていませんが、ことあるごとに取り上げている平井和正氏との対談が収録されている
- 作者: 高橋留美子,平井和正
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1984/12
- メディア: 単行本
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言ってしまえば『ウルフガイ』の変形と言ったら何ですが、ただ、『ウルフガイ』を読まなかったらかけなかったであろうというものがかければいいなぁということなんです。
それ以外にも筒井康隆的な世界ではなく平井和正的な世界の作品を書きたいという発言がどこかにでていましたが。。。犬夜叉読んで、「ああ、これがそれなんだな」と私は思いましたね。私のストライクゾーンには来ないけれど確実に求めている読者はいる場所です。
εに誓って
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/10
- メディア: 新書
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森博嗣作品はラノベなんでしょうか???
この作品を読んである部分の描写がやたら細かく「ああ、おそらくここに罠をしかけているんだろうな」と思いました。まじめな読者ならそこで絵を描いてみたりするんでしょうが私はスルーしてどんどん読み進めます(笑)で、最終的にはなるほどそういうことかと思うわけです。
推理小説の古典と最近の作品での大きな違いは、かつては犯人が仕掛けたトリックを見破る、味わうという感じだったのが、最近は作者が仕掛けたトリックを見破る、味わうという方向に変わってきているところです。
京極夏彦作品なんかまさにそうです。
どっちが優れているとかどっちが好きとか言うことはないです。両方好き。まぁね、想像を絶する大トリックとかって出てこないかなぁ。自分では絶対に思いつかないようなトリック。
とりあえずちょこっと寝ます。
ではでは。