何をいまさら四巻感想

何度も書いていますが中扉がすごく気に入ってます。みなさん書いているけど桂姉妹の物語はものすごく読みたい。32ページといわず一冊まるまるあってもいいくらい。っていうか、あの中扉見て背後にある物を感じちゃうんだよね。物語に取り込まれた読者としては・・・プロフィール見る前から切ない気分になりました。あのふたコマは今のところこの漫画のベストです。でも本編以外をベストって言われるのは漫画家さん的にはどうなんだろうか??


続いて第一話、暫定最終回。
扉絵が最終回、サブタイトルが最終回、話の流れが最終回。完全無欠な最終回です。これを描くと確かに作者はへこむかも。っていうかこのころすでに取り込まれていたら読者的にもへこんでいたかも。ほんとに最終回だったら最終ページの構成がちょろっと変わってたでしょうけどね。そこの台詞は連載時から大きくかえたというのがポイントみたい。2ちゃんねるにも書いてあったし、プラズマだっしゅ!さんにも解説が。
思うに、畑さんの意図としてはそういうことを言いたかったんだけど連載時の表現がまずかったということかな。そうしないと第三話にうまくつながらない。


ちょっと脱線するけど、畑健二郎さんは一巻の後書きで一話完結なのに連続性を持たせているとおっしゃってますが、四巻からは連続性があるのに一話完結に見える(見せる)ような話が多くなっているような気がします。実際はそんなことないんだろうけど、すでに原稿がずいぶん先の分まで描き上がっていてそれを順に掲載しているような印象があります。週刊連載の方は最近一話完結物が極端に減っているような気がしますし。
また元にもどるのかな?


第二話
決してたんなる教訓的な話とか切ないだけの話にはさせないという強い意志が見られるような気がする。珍しく絵的な話をすると、あの、俺にとって衝撃だったバックステージのあの言葉のあとに「お尻」という言葉が多数出てきます(笑)
この作者のなるほどこだわりはそこにあるのかと。そう思ってみると29ページのナギちゃんの絵も「なるほどなぁ」と思ったりしますね。えっと、おれはやばい方向に向かってしまっているのでしょうか???(笑)


第三話
前半部分。伊澄ちゃんはするどいんだかにぶいんだか・・・彼女の言葉がこの漫画のポイントの一つだとは思います。この漫画はハヤテ君視点ではなくナギちゃん視点で読むべきなのかなと思う今日この頃です。それだけじゃ本質はつかみ損ねるとは思うけど。めぞん一刻は間違いなく五代君視点で読んでいたんで読むのにトレーニングは必要だな。女にはうまれかわれねーから。
後半部分。絶対に理由は書きませんがこの漫画を「眺める」から「読む」に変わったのはここから。とはいえ覚えていない話多いけど。この時点では今みたいな展開になるとは夢にも思いませんでしたよ。作品的にも自分的にも。


第四話
ヒナギクさん初登場はこうやってみると印象的な描写です。
目だけ→斜め後ろ→顔四分の一→顔全体→全身(木の上)
なんかね、ものすごく既視感があるんですよ。元ネタ解析サイトにも出てないんだけど・・・
ヒナギクさんの「クス…こ・こ・よ こ・こ・」ってのもものすごく見覚えがあるような・・・俺が疲れているせいでしょうか??(笑)
この漫画の登場人物で一番ヒロインが似合っているのはヒナギクさんですね。少年誌でハヤテ君視点で物語を作るならそれが一番自然。なのになぜ??
ヒナギクさんは作者が言ってる「ナギの三人しかいない友達」の一人のような気がするんだけど違うのかな?当初から予定されていたキャラには間違いないと思うんで・・・それはともかく読み返してみたら悪の女王もいるらしい。いったい何年後に出てくるんでしょうか??(笑)
にしても連載時に読んで覚えていなかったシーンにそんな意味づけがあるとは・・・油断できん。
追記:「そんな意味づけ」だけじゃわからんですね。子供を見捨てる親鳥が許せず涙ぐむヒナギクさんの話です。ふつーの女の子の反応と思っていたおれはだめ人間(笑)


第五話
完結編でありながら「ケータイを持たせる」とか「ヒナギクと呼びなさい」とかすぐ後の物語に続く言葉をちりばめています。
ヒナギクさんがナギちゃんと対等に話せる関係と言うこともアピールしています。
この話のポイントはヒナギクさんの70ページの台詞
「少しくらいワガママ言わないと幸せつかみそこねるわよ。」
だと思ったりしています。が、今週のバックステージ読んで思ったんだけど、もしかして畑さんの設定的にはこの言葉は桂先生の受け売りだったりするのかも。まっ妄想です。
この話は今までのパターンだとハヤテ君が桂先生の命の恩人になるというフラグがたつはずなんですが、桂先生が・・・orz


第六話
ハムスターこと西沢さん初登場。ヒナギクさんの登場も印象的だったけどその上を行くとはいったいどういうことだと小一時間・・・
ぶっちゃけここから真のラブコメのはじまりはじまり〜なんですね。俺が考える西沢さんの役割は10日間を見てください。長すぎて読めないか・・・そのうち別サイトでまとめます。それまでに本編で論破されていなければ。
ハヤテ君の親のひどさを読者に再認識させています。ぶっちゃけあの設定には不快感を持っている人がいるってのは畑さんの耳にも入っているとは思うんですよ。この先どうなるのか。。
全然関係ないけどauの携帯なのが微妙にうれしい。今じゃマイノリティとは言えなくなったけど東京デジタルフォン(今のボーダフォン)から会社やめるときにIDOに乗り換えて以来のつきあいなんで。かれこれ7・8年近く使ってるな。当時は電波取りづらかったりしましたけどね。
最後のナギちゃんの笑顔は気合いが入っている絵だと思います。ところで「ニパッ」っていう擬態語は畑さんのオリジナルなんでしょうか?最近見てないような気もする。
この第六話は突き詰めて考えるといろいろ出てきそうで怖いです。。。


第七話
ナギちゃん視点でラブコメとして捉えた場合絶望的な状況であることがわかりやすく描かれています・・・
決してたんなるちょっといい話にはさせないという強い意志が見られるような気がする。一話完結であり続けることをやめたような・・・らんま1/2的な展開です。


第八話
と思ったらちょっといい話。危険な傾向のあるサブタイトル通り危険な内容です。桂姉妹の家庭の状況をさりげなくアピールする台詞とか、二人とも三千院家の屋敷にいる人たちと面識があるとか設定の説明もありますね。ヒナギクさんのハヤテ君に対する微妙な感情も絵で表現されています。まっ、めぞん一刻のあのコマにくらべちゃうとあれだけど・・・
そしてラスト。お約束だけどいい話です。で、これ読むとラブコメとしてはマリアさんもポイントになるんだろうなと思うわけです。マリアさん音無響子さん説。でもこの漫画はラブコメとしてはナギちゃん視点。びみょー。。


第九話
おいおい、扉絵で前回のフォローかよ(笑)バックステージ見ても思うんだけど、畑健二郎さんって作品に込めた自分の意図をなんとかして読者に伝えたいって想いが強いんだよね。いろいろな人がいて、読者がどう感じるかは自由だから作者は語らないって言う考えの人も多いと思う。けど畑さんはちがうんだよな。意図を出来る限り正確に伝えたいと思っているんだよな。あまりやりすぎるとネタバレ誘発するから危険なんだろうけど。
っていうか扉絵だけでなにを語っているんだ俺は(笑)
ヒナギクさんはやっぱりヒロイン属性だよなと思う出だし。男性視点のラブコメだったら非常に無難なヒロイン像でしょう。
ハヤテのごとく!って複数の漫画が渾然一体となって構成されているっていう印象があるんですよ。重厚な物語性を感じる理由の一つはそれだと思う。しかもそれが緻密に組み合わさっているんですよね。こわいよなぁ。
それはともかくナギちゃんが飛び級して高校生だということが明らかになります。で、マリアさんが化け物みたいな人であることも。四巻は各種設定が公開されるタイミングですね。飛び級の仕組みについてはまだ明らかになっていませんが、学校にいる時間を極力短くするために飛び級をしたナギちゃんがハヤテ君が同じ学校に通うことになったことによって今後どういう行動をとるのかという興味があります。それ以前にハヤテ君は学校に通い続けることができるのかという話もありますがね。
学校通うのがうれしいんだ。それも名門校。ハヤテ君も普通の子供的なところもあるんだなぁ。
謎の新キャラはまだ材料が少なすぎるっす。役割が見えてません・・・


第十話
いきなりめぞん一刻ですか??連載読んでいるときもそう思った一ページ目です(笑)ネクタイ締めは響子さんの必殺技ですよ。あの話はそのあとの展開に影響していたわけですが・・・
桂先生って悪気がない人なんだろうな。でも迷惑。現実世界ではお知り合いになりたくない(笑)前の話で子供的なところを見せたハヤテ君ですが今回はいきなり大人的な対応が求められてしまいました。ちょっと可愛そう。
ハヤテ君はマリアさんとナギちゃんには一生尽くそうと思っているんだろうな。二人がいなければ今の自分はないと。ナギちゃんもハヤテ君には命を助けられたと。根本的にラブコメじゃないんですよね。恋愛感情じゃなくてもっとレベルが上の感情。ただ単に愛って言うとちょっとニュアンスが違うし・・・全面的な信頼とか従属ってのも違う。疑似家族であることは間違いないんだけど、家族愛ってのも違うような気がする。いい言葉無いかなぁ。それが見つかるともっと語りやすくなるんだけど。
ナギちゃんがヒナギクさんにあこがれているという設定があきらかになります。微妙すぎる設定だぁ(笑)
それはともかく小悪魔(そういや「ツンコア」とか書いたことがあった(笑))のヒナギクさんの「罠」にはまるハヤテ君。。。
この話にでてくるおぼっちゃまについてもまだ材料が少ない。
まっ、まさか俺は男のキャラクターには興味がないのか??まぁ男だから自然なのか、それが。


読み切り
ギャグもあるけどちょっといい話に特化しています。
実はこれ読んでちょいと混乱してまして・・・バックステージや読み切りの説明で、本編もいつかはここに追いつくと書いてあるんで、この中に出てくる台詞も本編とつなぐと自然に見えるようになると思うんですよね。
そう考えると、、、
ハヤテ君が今より子供のナギちゃんを連れて行くのに
「僕とデートしましょう」
って言っているのにものすごく違和感が・・・
子供とデート?変質者かよ!(笑)
それはともかく、ハヤテ君はこういう言葉をかけるとこの子はついてくると思っているんですよね。これから漫画時間で二ヶ月半の間になにかあるのかも。
さらに、
「ちょっとつきあってください。」
この言葉は一巻冒頭の誘拐のところを意識しているような。微妙に違うけど。
実世界の時系列的にはこれが書かれたのは予定していた爆弾処理ができなかったことがわかってからなんで、その状況でこういう言葉を使うのはどうしてなのかなと。
「海を見に行こう」でもいいじゃん別に。
まぁ俺がこういうところに違和感を感じているという実例なんです。
個人的な感想としてはこの話好きですね。16ページとは思えない。切ない話ですね。


おまけページ
プロフィール・・・桂姉妹の出自について。。。読みてぇ。めちゃくちゃ読みてぇ。2ちゃんねるでも別サイトでもみんな言っていることだけど、桂先生の見方がまるで変わりましたよ。中扉とプロフィールで。ある意味この作品を支える一人なのかもしれない。他の作品で例えると・・・って書こうとしたんだけど思い浮かばないんだよね。極めて特異なキャラクターかも。10日間の本編で「ヒナギクの世界」って書いてそれは学校のことって書いたんだけど、もっと異質かもね。むしろ「雪路の世界」が存在しているのかも。今日書いたけどこの漫画は異質な物が渾然一体となっているんだよな。普通漫画っていつのまにかみんな同質化してくるんだけど、基礎となる設定と物語としての構成管理がしっかりしているようなので今まで誰も到達しなかったところにいけるんじゃないかなと思ったりしてます。
ヒナギクさんのプロフィールについては、、、まだわかりません。表紙の意味が・・・人の心をつかむのはリアルでも苦手なんで普通の人はすんなり理解できているのかも。なんでナギちゃんの手が上なんだ〜!!それがいったいなんだっていうんだ!!
西沢さん。普通さが重要な意味を持つ。まさにそれですよ。この漫画で普通というのは以上なんですよ。登場人物の両親がそろっていて幸せな家庭を持っているなんてありえない世界なんだから。
特殊能力もない、得意なこともこれといってない。そんな人に「あこがれちゃう」登場人物が出てくるんじゃないの?とかおもっちゃってます。私もああいう人生が送りたかった。ああいうところで生活したかったみたいな。
それについては来週なんか展開があるかも。


総括
異様に長くなったような気がします(笑)
せっかくなんで10日間に書いた違和感の実例を書いてみたりしました。正体が分かってないやつについて書いた方が後出しじゃんけんにならないからフェアだと思うし。
書いているうちに10日間では思いつかなかった「渾然一体」というキーワードが出てきました。たしかにこの漫画設定を分割するとわかりやすいなぁ。とっても。
正直今俺がやってる読み方自体間違っているのかもしれない。それにほぼナギちゃん視点でしか読めていないからハヤテ君視点、マリアさん視点で読むとまた別のことに気づくかも。
まっ、とにかくこれだけ書ける作品って、小説でも漫画でもめったにないと思います。素人でもこれだけ書けるんだからプロが読んだらもっとすげー事になるんじゃないかな。


気づいたらほぼ三時間くらい書き続けていました。10日間原稿コピペスタイルでやってほんとよかったよ・・・
なんか書き漏らしていることがあるような気もするけどとりあえずはアップロードだ!
(思わず本名で署名しそうになってびびった・・・)