10日かけたファンレター後日談その4

単行本発売間隔が二ヶ月ってのは短いですね。あっというまです。来週からは新しいステージに行くので今日改めてまとめます。


今まで、小説にしても絵にしても、「何かに取り憑かれたように書いた(描いた)」っていう言葉は信用してなかったんですよ。セールストークだろうなぁって。それは自分がそういう行動をするところを想像できなかったから。
今は信用するようになりました。自分がそういう行動を取ったからです。驚きましたね。普通の人でもこうなることがあるんだ。創作している人だったら当たり前にあるんだろうな。もしかすると今後も同じような物を私が書くと思って見に来てくれている人もいるかもしれないんですが、たぶん無理です。絶対とはいえないけど。まして他の作品について同様に論じることはできないと思います。
未だどうしてああいう物が書けたのか自分でもわからないです。


今まで自分が残した物で一番他人に広まったのは替え歌です。高校時代に友達と作ってその後五年〜十年くらいは極狭い範囲で歌われていたようです。それでも知っているのはせいぜい数百人でしょう。忘れないように日記の初期にアップロードしておいたりしてます。たぶん今回の文章はそれ以上の人に読まれているんでしょうね。瞬間最大風速的な物だけど、私が書いた中で今までで一番人の目に触れたコンテンツだと思われます。


さて、昨日私はゲームを楽しんでいる感覚だと書きました。断片的な事実を組み合わせて達した考えが正しいのかどうか、毎週楽しみにしています。畑健二郎さんがここを読んでいるとは思ってないけど、読んでいることを想定して勝負している感覚なんですよね。二人とも笑顔で楽しみながらも激しく戦うゲームのように。もちろん妄想ですけど(笑)
でも普通のゲームと違うのは、おそらく相手はこちらの反応を見て根本的な対応を変えるって事はしないだろうとこちらが思っていることです。読者の反応が作品の根幹には影響を与えることはないと思っているんです。唯一、人気が落ちたときの打ち切りを除いては。
ハヤテのごとく!はそんな柔な作りではないんです。逆に言うと不器用な作りということもできます。漫画で成功するためには風を読んでその風をつかまえることが本来必要でしょうが、細かい所はともかく根幹部分においてはそういうことは絶対しないという潔さ、言い換えると「覚悟」を感じているんです。
それがあるから、ハンデがある私でも「二人で」ゲームを楽しんでいる感覚が得られる。対戦相手に対してなのに不思議なんだけどあるけど一種の信頼関係を感じることができるんですよ。
ゲームは好きです。仲間内でおそらく永久に残ると思われるUNO22連敗の大記録を打ち立てたことがあります。麻雀も好きです。引っかけリーチとか地獄待ちとか大好きです。でも相手の手牌を読み切るレベルには達していません。そんな私でもゲームを楽しめるのはその信頼があるからです。




ハンデという話が出てきたので、私の感じている一番のハンデはなにかというネタバレをしようと思います。
コンピュータ系のゲームはそれほどやっていません。やったことがあるのは、アクション系、ドラクエシムシティ・A列車IV、さらにプリンセスメーカーくらいです。ハヤテのごとく!を読み解くには必要な重要なジャンルが抜けています。


畑健二郎さんがある意味名前を売った、ときメモ系のゲームです。


やったことないんですよ。いまさらやるきにもならないし・・・たぶん、漫画をあまり読んでいないこと以上に大きなハンデです。ときメモ系のゲームをやっている人にしか見えてこないなにかがあると思うんですよ。


ハヤテのごとく!をゲームに例えるとなにかという話も今日書いておきます。私は一番近いのは前に挙げた中では「プリンセスメーカー」だと感じています。それも、コンピュータの世界ではまず再現不可能な、育てるべき人間が多数いて、それぞれの関係もエンディングに影響を及ぼすゲームです。この作品の終了条件が日付というのはそのことがベースとなっています。あれ、逆だったかな?日付が終了条件だと思い至ってからプリンセスメーカーとの共通点について再認識したんだっけかな?かな?かな?ってまるでハムスター西沢みたいですが(笑)
余談ですがプリンセスメーカー久しぶりにやってみようかと思ったんだけどWinXPでは動かなかった・・・
この作品は非常にゲーム的であるにも関わらず、ゲームでは再現することがものすごく難しい世界なんですよね。いずれゲーム化されるとしたら制作会社はかなり苦労することになるでしょうね。


ゲーム化つながりで・・・
苦労すると思っている要因の一つは世界観の複雑さがあります。読者によって作品のとらえ方にものすごく幅があるんですよ。そのあたりの話は来週ちょっとだけ書く予定です。
友達でそっち業界の人がいるって話は書きましたが、彼らはすごいですよ。原作やキャラクターがついているゲームを作るときは、その作品世界の理解から入ってますから。今までのゲームのシステムを使ってキャラだけ変えて・・・なんていう安易なことはしてません。会社によっては世界観を壊すと怒り狂うところもあるみたいですから。プレイする側がそれを感じているかは微妙だとも言ってましたがね(笑)


私は今ゲームを楽しんでいるんですが、前回熱くなりすぎて勝つためにはやってはいけないことをしてしまいました。
序盤なのに切り札を使ってしまった。
十日間の途中で思いついてなければたぶん書くことをためらっていたでしょうね。最終日のあの結論は。今のところ私が持っている最強の切り札ですから。それを見て相手が顔色を変えればいいけど、ニヤリと笑われた日にゃ私の負けはもう決まったようなもんです。敵さんがあれを読んで「浅いな」と思っていないことを祈っていますよ。




ここからは素人なりの文章技術論です。創作している人が読むと笑える読み物かもしれないですけど、私は大まじめに書いているのでさらに大笑いしてください。


あの十日間、もちろん書くにあたっては、今まで自分が読んだいろいろな本に影響を受けています。ロジック展開は島田荘司氏の世界に迫りたいという思いがありました。島田氏の小説がすごいのは、大がかりなトリックというのもありますがそれを魅せる筆力なんですよ。
あの方が書いたらどんなに小さくて単純なトリックでも大がかりで奥が深そうに見えるんです。現実ではありえないようなトリックでも実際できそうに思えちゃうんです。もちろんそう思わない人もたくさんいるでしょうが、少なくとも私にとってはそうです。
もともとは前半抑えめにして謎をちりばめて、後半に謎解きということがやりたかったんですが全然だめでした。それをやるには謎解きをコンパクトにしないと意味無いのに謎解きの方が長いですから。
なお、私の意識では、謎の提示は三日目までです。四日目以降は解決編。十日目は探偵が部屋に戻って後日談っていうイメージ。
今後リライトしてポータルもどきにアップロードすることがあっても三日目までの内容はあまりいじらないです。四日目以降は話の順番変えたりしたいですね。七日目の話が解決編の最後になるようにしたい。あー・・・どうして原稿書いているときにあれに気づかなかったのか悔やまれる。


お気づきの方も多いと思うけど、書くに当たってはWeb意外での再現が難しい物を書こうとも意識していました。具体的には内部リンクの多用です。中学、高校の頃、作文とか感想文とか校内で配られる小冊子いうレベルでしたが文章を書いていました。その頃から仕掛けが大好きで。2chでも多数見られる縦読み。当時は縦書きだったので横読みだったけど多用していました。普通の文章の中に一部分だけ韻を踏む所を作り込んでおいて、声を出して読むと違和感感じるように細工したり、意図的に一部分だけ文体を変えて違和感を出したり。思えば違和感をどう出すかということに腐心していたのかも。大人はわかってくれませんでしたよ。もちろん。ええ、子供もわかってくれませんでしたよ。自己満足でした(笑)
Webでは、環境によって改行位置が変わってしまうというどうしようもない問題があるので縦読みは使いませんでした。使っている余裕もなかったし。だからそういうところがあっても偶然です。でも韻を踏んでいるところはあるかもしれません。意識してないけど子供の頃から染みついている癖なんですよね。いいことか悪いことか人から評価を受けたことはないのでわからないですけど。今回意図的にやっていたのはリンクだけです。そこだけリンクの色変えたりして、涙ぐましい努力。
さらに十日目は、初日から九日目全てにリンクを張るように構成しました。十日目だけ読んでもらって引っかかった部分はリンクで補完してもらうっていう仕掛けです。今にして思うと、、初日にもその仕掛けを作り込んでおくとよかった。リライトするときにはそのあたりを考えることにします。書き始めたときの構成から書き終わった時の構成が大きく変わっていたんでやむを得ないですが・・・
十日目のリンク多用には気づいた人多いでしょうね。


最後の結論部分は終わった直後にも書いたように、高木彬光氏の成吉思汗の秘密をベースにしています。あの結論に至ったときに自分で「成吉思汗の秘密みたいだ!」と思ったから。読んでからもう20年以上経っているんで、記憶しているラストとは実は違うかもしれないですけど。これが「インスパイヤ」だと読者に思われたら「私の記憶力もたいした物だ」と逆に喜んじゃうかも(笑)
あと、京極夏彦氏の影響もあるんですよ。これは最終日以外にも言えることだけど。「秘密の開示」を効果的に行いたいという意図がありました。これはうまくいってないと自分でも思ってるんですけどね。京極氏は秘密の開示の演出がうまいですよね。島田氏は謎の提示がうまい。プロだからといわれりゃそれまでだけどうまい。


私は今ゲームをしているわけで、持っているカードを全部見せるのはためらっています。カードの一部を毎週、そして単行本のタイミングでこれから見せていきます。今日もだいぶ見せましたけどね(笑)なんせ最強の切り札を使っちゃったんでね。隠している価値があるか微妙なんですよ。プリンセスメーカーの件も見せるかどうか迷ったけどまぁいいかと思いました。五巻発売時に書くことは大きな訂正と十日間のある日の掘り下げだけの予定なのでかるーく読めると思います。あれ書いた時点では真実だと思っていたんだけどなぁ・・・




そうそう、忘れていた。ポータルもどきでやりたいこと。
一つは図表形式でないと見せづらい物をアップしたいんです。まずプロフィールの表を上げましたが全然説明がないので何のことだかわからないと思います。何年か後には、あのページにここからリンクが張られるようになると思います。たぶん。
そして、自分が書いたハヤテの感想へのリンク集。
サブタイトルを付け始めたのは確か「いくらなんでもサブタイトル長すぎるんじゃないかと思った」の様な気がするんだけど良く覚えてないです。見出しも付けている回とつけていない回があるし自分でも何をいつ書いたのかわからなくなっちゃってて・・・
目次を作ると言うことは必然的に前に書いたことを読み返すのでいいことなのかなという思いもあります。
究極的には作中時間を主軸としたコンテンツを充実させたいという野望を持っているんですが難しい!まず、どう見せればいいのか、思いつかない。さらに調査時間が半端なくかかる。
大事なこと書き忘れてた。十日間はあえて本編の引用をほとんどせずに書きました。どうして私がそう考えたのか、読者の方も考えてみてくださいって言う意図でした。埋め合わせのために最近の各話感想でどういう表現を読んで私がどう考えるのかっていうのをやっています。それでも切り札になるところまで膨らみそうなことは避けて通っているわけですが。そういう解説もやりたい。
さらに、今まで本当に避けて通っているストーリー予想。かなりおおざっぱだけど私なりに考えていることはあります。そして七日目に書いたXDay。ほのめかすだけにしてますけど、そのうち具体的な日付を向こうの方で書くつもりです。迷いがあるんだよね。大きな候補が二つあって。どっちを本線にするか・・・
いろいろ書いていますが、しばらくは放置状態になってしまうかもしれないですね。ページ作るのにテキストエディタだけでやるのはそろそろ限界かな。


今日は二時間以上かけて日記を書きました。古畑任三郎二日目は見終わって今はNFLを見ています。古畑任三郎は推理物としてはいろいろ言いたいこともあるけど、ドラマとしては無条件で面白いです。時間泥棒。でも感想が書けるから「でぶや」の泥棒っぷりには全然かないませんけど。でぶやには貴重な時間を何時間も奪われていてしかも何も残してくれません。でも見ちゃう。放送時間元に戻らないかなぁ。


そんなこんなで三連休だと言うことを思い出しました。気合い入れて小川町行くか。
ではでは。


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