ウェブ進化論

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ようやく入手しました。立ち回り先の本屋が新書の在庫が手薄でねぇ。ずっと読みたかったんですよね。
この本については、読書感想文というか自分の意見になってしまいます。
Webというかインターネットに初めて触れた頃、俺はまだ経営とかマーケティングとかに全く興味を持っていないシステム開発者でした。汎用機での開発からクラサバ系に移った頃でした。
初めてWebでのアプリを開発して思ったことは、「これは楽できそうだ」ということです。どういうことかというと、ある機能を持ったフォームを作れば、そこにパラメータを送ることによって自動的に画面を表示させることができる。要は部品化が簡単にできるようになると思ったんですよ。で、それをインプリしようといろいろやってみたけれどなかなかうまく行かず・・・思いつくのは簡単だけどやるのは難しいのが世の常です（笑）
具現化したのはリンク付きカレンダー表示のモジュールくらいかな？それはほぼそのままどこでも使える。
API公開してサービスを使ってもらうという考え方は、これを発展させればたどり着けたのかなぁ。思いついた人はきっとたくさんいて、その中で実際にできた人は極々わずかで、さらにそのなかでビジネスに結びつけられた人は極めて少数でしょうね。


この本で主に取り上げられているGoogleについて。
正直おれもここのビジネスがうまく行くとは思っていなかった一人です。卓越した技術があったところでそれがこれほどうまくお金に換わるとは思ってもいなかった。彼らのビジョンは正しいと思う。全ての情報を管理する。そして管理できる。それが今の時代不可能ではない。そして、重み付けをするのは人間ではなくシステムである。ここがすばらしい発想です。恐ろしく複雑な人間の思考と判断をシステム化できる。そういう時代にこの発想が生まれたからある程度具現化した形で我々の前に提示されたのだと思います。
この本では、GoogleとYahoo、楽天、ライブドアを比較していたりしますが、それよりも俺はGoogleと2chの比較がわかりやすいかなと思います。
2chでは全てが「人間の動き」によって管理されている。スレを立てるのも上げるのも下げるのも、レスを書き込むのをそれを評価するのも全て人間である。Googleの場合は無数といってもよいコンピュータのつながりによって、それができるようになっているのですが、2chの場合は無数と言ってもよい社会的にはつながっていない人間によって情報が管理されている。そもそもの発想がまるで違う。しかし見ている人から見ると一見なんの脈絡もない評価基準で評価されているように見えるという点では一致する。これって不思議なことですよね。Googleでトップ表示されるには、あるロジックで上位にこないといけなくて、そのロジックって言うのはきっちり決まっているはず。逆に2chではたまたま最後にageで書き込んだスレッドが一番上に来ている。ロジックの介在はない。なのに表示順というのはなんとなく参考になってしまう。不思議です。


他にもいろいろ書きたいことはあるんですが、最後に余談を一つだけ。
ネットワークコンピュータ（NC）の話題が出ていました。今では懐かしさすら感じます。あの発想はすばらしかった。あの発想から全ては始まったと行ってもよいかもしれない。新しさはないんです。ブラウザがインターフェースとして用意されているダム端みたいなものと考えれば誰でも発想はできる。しかしそれをビジネスとしてやろうとしたことがすごかった。
あれを発想したオラクルという会社はデータベースの会社です。おそらくあの会社では「全ての情報を格納する巨大なサーバーを作りそこに世界中の人がアクセスするようにする」というビジョンがあったんでしょうね。Googleとほぼ同じような発想。
でも微妙に違うのは、そのデータベースを売るのがオラクルで、データベースの中身のデータを作り出し入れの仕組みを作るのがGoogleってことです。Googleではシステム的にはORACLEのDBは使っていないらしいですが、発想としてはその系譜にあると思われます。
どうでもいいことですが、オラクルが昔ＮＣという発想を中心としたＮＣＡというのをぶち上げたことがあります。Network Computer Architectureの略。
イベントかなんかで、そのロゴ入りのキャンバスバックもらったんですよ。それが非常によい！何によいかというとお風呂セットを入れるのに大きさも材質もぴったり！！（笑）
今でも温泉に行くときには愛用しています。
業界の人には「なんじゃこりゃ、関係者か？」と思われているかも知れませんが、便利な物はしょうがないっす（笑）




続きはまた後で、の予定だけど書けるかな？