新幹線をつくった男 島秀雄物語

新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)

新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)

この本は以前から興味を持っていたのですが読んでいませんでした。しかし、連休前に日経エレクトロニクスのサイトで紹介されていて、読んでみようかと思いました。
新幹線をつくった男
私は「エレクトロニクス技術者」ではないのですが、紹介文を読んでかなり興味を引かれました。


とにかく、昭和のというか20世紀の偉人ですね。自然科学史には残らないだろうけれど、記憶はとどめておくべきでしょう。画期的な発明をするとかいうのではなく、「ある物は使う」「後のことまで考えて作る」という方法で結果的には後世に残る物を多数作り出しています。ソフトウエア技術者としても学ぶべき所は多いです。
それ以上にマネジメントが・・・
それほど詳細に書かれているわけではないですが、マネジメントがものすごくうまかったんだと思います。自分自身が卓越した技術者であるにもかかわらず、他の技術者が優れているところは素直に認め(というかもしかすると必要以上に認めていたのかも知れません)その意見を尊重する。それを意識していてもなかなかできる事じゃないと思います。


余談ですが、最近360Km/hでの走行を目指しているJR東日本の新幹線で使われている空力ブレーキ(通称ネコミミ)の原型は昭和30年代にすでにできていますね。その時はまだ必要なかったけどリニアとか360Km/hの速度領域になると必要になるとのことで。。。
決して思いつきでつけたわけでなく、すでに理論面での裏付けは完璧にできているうえで、この速度領域だとこれは必要って事でつけたんでしょうね。この本読むとそう思えます。