ハヤテのごとく!の違和感55選

私がハヤテのごとく!という漫画にはまるきっかけとなったのは「違和感」です。
今日はコミックス7巻までの範囲で、私が違和感を持った場面を55箇所指摘します。違和感の中には物語的な伏線や、表現の不備から来ているかもしれない物、すでに解消している場面も含まれますが、全て同列に記載しています。
レベルは★で表現しています。★5個が最高の違和感で、★1つはちょっと引っかかるというレベルです。
ハヤテのごとく!という漫画には違和感が感じる場面が多く、それがこの漫画の人気を支えている部分もあるのではないかなと思っています。

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ハヤテのごとく!の違和感55選


・コミックス1巻
1.なぜ主人公の設定がこれほどまでに悲惨なのか(1話)


ハヤテの両親には素で嫌悪感すら抱く人がいるほど悲惨な設定です。なぜここまでひどい設定にする必要があるのでしょうか。

2.マリアはなぜ私服だったのか(1話/2話)

★★
誕生日パーティーだったという推測はありますが、現状では伏線として生きています。

3.ナギはなぜマリアに固執するのか(4話・P.84)

★★★
まだ詳細は描かれていない基本設定です。

4.なぜナギはハヤテの言葉、行動に心を動かされたのか(5話・P.111)

★★
大金持ちのお嬢さまなのだから、守ってくれる人はたくさんいたはずです。でもそれらは全てオトナの計算であることがナギにはわかっていたのかもしれません。まだ描かれていない部分です。単にハヤテに対する恋愛感情が表現されている可能性もあります。

5.なぜマリアにハヤテの好みを確認させる必要があるのか(9話)

★★★★★
この話自体違和感の固まり。読者に対してハヤテのごとく!が物語であることを主張しているようにしか思えません。

6.当初設定の誤解は解く予定だった(ナギプロフィール・P.184)

★★★★★
誤解とすれ違いをベースにしたラブコメではないという主張をしているとしか思えない。それがこの話の本筋と思った読者は多いはず。作者の言葉を信頼信頼してよいのか、判断が難しいけれど今のところは信用して読んでいます。

・コミックス2巻
7.中扉

★★★
マリアはナギの使用人のはず。お嬢さまを負かして泣かせていることに違和感を感じます。三千院家からナギの友達的な存在になることを期待されていたのか、それ以外の理由があるのか。2巻を読んだ時点では気になりませんでしたが、その後出版されたコミックスの中扉と比較すると違和感があります。

8.なぜ漫画の方向性を限定するのか(4話・5話)※通番13話・14話

★★★★
5話の最後でバトル漫画への道を自ら閉ざしています。2005/11/23の記事に私の推測した理由を書きました。

9.なぜマリアを落ち込まさせる必要があったのか(6話)※15話

★★★★★
最近にいたるマリア不遇の時代の始まりです。ハヤテのごとく!におけるマリアの物語はここから始まっているのではないかと私は思ってます。

10.なぜ改めてハヤテの両親を持ち出すのか(9話・P.151)※18話


違和感1関連。改めて確認すると言うことは、何らかの意図があってハヤテと両親の関係を設定しているのではないかと推測できます。

11.なぜマリアはナギの恋とハヤテの借金返済両方が解決する道筋を指摘し、なぜハヤテはその道筋を否定したのか(10話)※19話

★★★★★
違和感の固まり。ハヤテのごとく!の強烈な物語性を初めて感じたのはこの話です。簡単な筋立ての物語ではないということを読者に理解させようとしています。さらに違和感3、ナギのマリアへの固執の確認もしています。

・コミックス3巻
12.なぜマリアは世間知らずなのか(2話)※22話

★★
ただの使用人ならば電車に乗るくらいのことはしているという設定になるはずです。漫画的にマリアは世間を知っていて突っ込み役になる方が面白そうに思えます。

13.なぜ改めてハヤテの両親を持ち出すのか(3話・P.52)※23話


違和感1、違和感10と同様。

14.なぜ意味のない新展開があるのか(5話・P.84)※25話


謎の最終コマシリーズ。この時点での違和感は強烈でした。謎は一応解けました。

15.なぜナギが泣いて周りがおろおろするのか(9話・P.146)※29話

★★★★
ハヤテのごとく!は登場人物が泣く場面の多い漫画です。なぜここでナギが泣いたことでみんな驚いたのか。ナギの内面の変化を表現しているのかもしれません。

・コミックス4巻
16.なぜ最終回のようなサブタイトルと扉絵なのか(1話)※32話

★★★★
この話でプロローグが終わり、ようやく本編の序盤に入ることを意図していると推測しました。

17.なぜマリアはナギの性格が元々ひねくれていると言うのか(2話・P.27)※33話


主人と使用人という関係であるにも関わらずです。ナギが生まれたときからマリアがそばにいる可能性が高いですが、二人の間にこれまで何があったのかが気になります。

18.なぜ伊澄に重要な伏線となる言葉を言わせたのか(3話・P.42)※32話

★★
いわゆるハヤテを中心としたラブコメとしてハヤテのごとく!を見た場合、伊澄が完全に退場したわけでもなく、さらにマリアがいずれ参戦することを示唆しています。

19.なぜハヤテはヒナギクにスパッツを見せられ赤面したのか(4話・P.62)※35話


この場面単体では違和感を感じませんが後で効いてきます。

20.なぜヒナギクは嘘をついたのか(5話・P.77)※36話

★★
ヒナギクが言った「みんな下の名前で呼ぶ」、これは明らかに嘘。なぜヒナギクが嘘をついたのか、その理由はまだ描かれていません。読者の想像にゆだねるのかもしれません。

21.なぜ西沢歩はいきなり告白をし、いきなり振られたのか(6話)※37話

★★★
ハムスターこと西沢歩が、たまに登場する奇矯なキャラクターなら違和感は感じません。主要登場人物で、しかも「普通」という漫画の中では特殊なポジションにいるのなら、何話か引っ張って読者の興味を引きつける展開をするのが普通なのではないでしょうか。

22.なぜハヤテはナギを見て赤面しないのか(7話・P.105)※38話

★★★★★
違和感19関連。この二つの描写はセットです。ナギの恋が実るためには時間が必要だと言うことが表現されていると推測されます。

23.なぜナギは雪路に対して礼儀正しい言葉遣いをするのか(7話・P.110)※38話

★★
ナギの他の人への言葉遣いと教師に対する言葉遣いとを明確に区別しています。あり得ないくらい金持ちのお嬢様なのだから、教師に対しても傍若無人な態度をとるという設定でもいいはずです。今現在、物語との関連は見いだせませんが気になる設定です。入学してからまもないという設定と関連しているのかもしれません。

24.なぜハヤテは白皇学院に合格して浮かれるのか(8話・P.126)※39話


このハヤテの心持ちは意外と重要なのではないかと推測しています。

25.ハヤテとマリアのやりとり(8話・P.131〜134)※39話


違和感というよりわかりやすい伏線です。物語の根幹となる流れの一つが提示されています。この話の流れからは浮いているので違和感として挙げておきます。

・コミックス5巻
26.なぜナギをスポーツに目覚めさせないのか(1話・P.20)※42話

★★★
天真爛漫な笑顔で剣道を否定されても・・・漫画の方向性をここでも絞り込んでいます。

27.なぜナギは西沢歩と出会った後、ハヤテがいなくなるのではと不安になりそれをハヤテにぶつけたのか(2話・P.36)※43話


女のかんといわれればそれまでです。自分の中で勝手に決めつけるのではなく、ハヤテに確認をするという行動を取るところではナギの微妙な成長を表現しているのではないかと推測しています。

28.なぜナギは「嫌な予感」を感じたのか(4話・P.68)※45話


この場面単体では違和感を感じませんが後で効いてきます。

29.なぜハヤテはヒナギクを挑発し、ヒナギクはハヤテを挑発したのか(5話)※46話


違和感というのに違和感を感じますが、同年代の少年少女が悩ましい展開になるのはハヤテのごとく!ではここが初めてなので微妙な違和感を感じました。おそらく「目には目を、ツンデレにはツンデレを」ってことなんでしょう。ツンデレの使い方あってますかね?

30.なぜ西沢歩はあきらめないのか(7話・P.108)※48話

★★★
答え:そういう設定だから。しかしその設定がハヤテのごとく!のラブコメ要素を支えていると推測しています。

31.なぜナギは伊澄ではなくハヤテの名を呼んだのか(10話・P165)※51話


伊澄よりもハヤテの方がよりまずい状態だからという答えが妥当だとは思いますが、もしかすると伊澄の力を知っていて、彼女が自分自身を守ることは容易であることがわかっているのではないかという深読みもできます。

・コミックス6巻
32.なぜマラソン大会で雪路はナギに勝ったのか(3話)※55話


物語的な視点で言えばナギが勝つ方が話が進めやすい。ギャグ漫画的にはナギ以外の誰かがかっさらったほうが面白い。ハヤテのごとく!を物語として読んでいいのか自信が揺らぎました。

33.なぜナギは涙ぐんでいたのか(4話・P.68)※56話

★★
傍若無人なお嬢さまらしからぬ反応です。自分のせいで・・・と思えるような女の子になったということを表現したかったのでしょうか。

34.なぜナギは恥ずかしい台詞を西沢歩に対して言ったのか(6話・P.91)※58話


ここまでの流れでナギの成長を描いていたので違和感があります。この後のナギの行動への伏線になっていましたが、いまだにこの場面でのナギには違和感を覚えます。

35.なぜ西沢歩にメイド服は似合わないのか(7話・P.104)※59話

★★★
違和感のある扉絵です。かわいく書こうとすれば書けるはずなのにそうしていない。西沢歩=普通というイメージを変えたくないと言うことでしょうか。

36.ナギは西沢歩をいつ「友達」と認識したのか(7話・P112)※59話


最初に読んだとき違和感がありましたが、この台詞を言わせるためにカラオケの話があったのではないかと思い至りました。西沢歩はナギにとって四人目の友達になりました。解消している違和感です。

37.なぜヒナギクはハヤテを名前で呼んだのか(10話・P.160)※62話


有名な設定です。とっさに名前を呼んでしまうあたり、ヒナギクの心持ちを表現しているように思えます。

・コミックス7巻
38.なぜナギは「よいのだ」と寝言を言いながら寝ているのか(1話・P20)※64話

★★★★★
今のところハヤテのごとく!最大の違和感。違和感28を参照のこと。ヒナギクとハヤテの時には嫌な予感がしているナギが、マリアとハヤテの場合は安心しきって寝ている。それを必要が無いのにわざわざ絵にしている。何年後、何十年後かに、またこの一コマについて語りたくなるときが来ると推測しています。

39.なぜこういう切ない話を掲載したのか(3話)※66話

★★★★★
巷でも、私個人としても評価が高い話。最近読んだ中では漫画小説ひっくるめて最も切ない話です。しかし、他の話から浮いている。ハヤテのごとく!という作品でこういう切ない話を期待している読者はそれほど多くなかったはずです。今後こういう方向の話も増える予定なので読者の反応を見たと推測しています。

40.なぜハヤテはメゾン一刻音無響子のPIYOPIYOエプロンをしているのか(4話)※67話


いわゆるオマージュなんでしょう。初めて読んだときは「なぜ!」と思いましたが、女性登場人物ではなく男性登場人物が着用するあたり、オリジナルを尊重しようと言う意志の表れかと推測しています。もちろん同じ雑誌に連載中の漫画家が創造した衣装なので話はついているはずです。

41.なぜハヤテにチョコをあげるのではと言われたマリアはそれを否定したのか(4話・P.67)※68話

★★★★★
マリアがハヤテを男として意識し始めたサインだと推測しています。

42.なぜ伊澄は咲夜をいじったのか(8話・P112)※71話

★★★
2巻プロフィールのステイタスから伊澄の内面も変わっているということを表現しようとしたのではないかと推測しています。

43.なぜマリアは最後「友達…か…」とつぶやているのか(8話・P.132)※71話

★★★
笑いのネタだけではないと推測しています。マリアが「自分の人生」という物を考え始めたことのサインだと推測しています。

44.ナギの劣等感(9話)※72話

★★
ナギの成長への欲望を改めて確認しています。話の流れとは直接は関係ありません。等身大の恋を描こうとしたという推測も成り立ちますが、それを柱にしてしまうとハヤテのごとく!の本筋が変わってしまうのではないかと思います。

45.なぜナギは西沢一樹のことを覚えていたのにストーカー呼ばわりしたのか(9話、10話)※72話・73話


ただの意地悪なのか、意識していたのか、本当に忘れていたのか。推測するにしてもまだ材料が少なすぎます。

46.なぜナギはマリアに嫉妬しないのか(11話・P177)※74話

★★★★★
マリアに対するナギの絶対的信頼が裏にあります。物語が進み、その信頼関係が変わっていくのではないかと推測しています。表現としての違和感の大きさは違和感37に譲りますが同様の意図が読みとれます。

47.なぜマリアのモノローグという形でハヤテにとってナギは女性と認識されていないことを確認したのか(11話・P177)※74話

★★★★★
そのことをナギに認識させることが物語を進める上で必要なので、読者に対してもう一度確認をしようとする意図があったと推測していますが、まだ材料が少なすぎます。マリアのハヤテに対する見方の変化も同時に描いている可能性もあります。

48.なぜナギはハヤテにキスをしたのか(11話)※74話

★★
違和感34からの流れです。ハヤテは自分のことを女性として好きになっているということを信じているがゆえの行動です。このあたりの話の流れはプロローグで誤解を解くことができなかったため、当初予定からは変更されていると推測しています。

・コミックス1巻〜7巻まで全般
49.ナギの変貌(1巻5話・P.104、1巻7話・P.139〜140、2巻1話・P.18、3巻11話・P.179、5巻10話・P165、5巻11話・P.178)※5話・7話・10話・31話・51話・52話

★★★
ハヤテ救出をマリアに任せようとし、タマをハヤテにけしかけた少女が、自己犠牲の道を選び、ハヤテを助けるために海に入るという暴挙に出たり、自ら一位を取ると宣言したりするようになります。ナギが成長する設定になっていると思い至り、この物語にはあらかじめ用意された結末があることを感じ取った時から、私のハヤテのごとく!に対する見方が変わりました。

50.なぜ作者は日付にこだわるのか

★★★★★
漫画としての最大の違和感。あり得ない設定で奇矯な登場人物たちがその持ち味を生かす漫画と仮定した場合、日付は邪魔になるはず。「ある程度の物語性」を持っている作品であることを読者に認識させようとしていると推測しています。

51.なぜ登場人物ほぼ全員が悲惨な設定になっているのか

★★
この違和感は全く解消されていません。物語が進むにつれて理由がおぼろげに見えてくると推測しています。

52.強烈な物語要素を内包していながら一話完結を指向しているのはなぜか


作者の思い入れ、漫画として成功することが物語成立の条件となっているなどの理由は考えられますが、物語的にこの構成である必要があるのかもしれません。

53.なぜ作者は作品について語りたがるのか

★★★
作者、畑健二郎さんの資質なのでしょうか。少なくとも、なんとしてでもハヤテのごとく!を成功させたい、完結させたいという意志を感じることはできます。

54.なぜ作者はエンディングのイメージを公開したのか

★★★★★
違和感52と同様の理由だと推測しています。さらに、自分の頭の中にある、おそらくは完成することはないであろう物語の終わりを読者に知って欲しい、読者と共有したいという欲望があるのではないでしょうか。

55.そもそもこの漫画はどういうジャンルの漫画なのか


ジャンル分け不能。それがハヤテのごとく!最大の特徴であり違和感でしょう。強いてジャンル分けするならば「執事漫画」としか言いようがありません。




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いかがでしょうか。「あれ、あの場面がない」とか「この場面は自然じゃないか」とか思われる方もいらっしゃると思います。
★の数もあくまでも主観で、初見の時と今とでは自分自身別の感想を持っているので、場面選択がなかなか難しかったです。




末尾になって申し訳ないですが、ハヤテのごとく!感想リング at はてなに新規登録してくださったサイトがあります。
じろグ!
水の、妖精さんんっ
13サイトになりました。ありがとうございます。まだ187つほど余裕がありますので、たまにでも感想書く方はお気軽にどうぞ。
ご紹介していないサイトはありませんよね・・・




明日は別の本についての感想の予定。
来週のハヤテ感想は大雨で交通寸断とかなければ週末になるはず。

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