1.イントロダクション

ネット上でブログなどのコンテンツを公開している方の多くにとって、アクセス数というのは気になる物だと思う。「アクセス数を増やすための方法」は、ネット上にも本屋にもあふれている。しかし、不満な点が三つある。
一つは具体例に乏しいことだ。具体例を挙げている書籍やサイトもあるが、このサイトにマッチした例が無いと私は感じている。実際ブログも含めたWebサイトには、一つ一つ個性がある物だし、個性がなければ面白く無いサイトになってしまう。完全にマッチする情報はないのはわかっているが、参考になる情報がまとまった形で手に入らないというフラストレーションを感じている。
次は、失敗例も含めた実際の数字が出ている記事が少ないと言うことだ。幸運にも、このサイトでは現状大失敗をしたことがない。*1しかし、狙い通りに行かなかったという経験は何度もしている。逆に狙いが当たったことも、狙い以上の効果を得たこと、なにも狙っていないのにアクセスが増えたこともある。他のサイトの場合はどうなっているのか、気になるところだ。
最後は、いわゆる成功したサイトの情報しかないということだ。成功したサイトは目立つ。しかしそれは全体のサイト数から見ると極めてわずかの存在でほとんどのサイトはそうではない。そう、私が欲しいのはむしろアクセス数が少ない、世間一般では成功しているとみなされないサイトの情報だ。


公開しているカウンタをご覧になれば一目瞭然だが、このサイトは人気があるサイトではない。一年でたかだか8万アクセス。「その程度のサイトの情報は参考にならない。自分はもっと高いところを目指している。いやすでに自分のサイトの方が上だ。」と思われる方が多いと思う。しかし、多くのサイトはアクセス数0から始まる。このサイトもそうだった。もう一度公開しているアクセス数グラフをご覧いただきたい。こんなサイトであっても徐々にアクセスは増えている。今では希に1000以上のアクセスを集める日もあるサイトになってしまった。1日0アクセスから1000アクセスへ。時々特異値は発生するが月単位で見ればほぼ直線的にアクセス数が伸びている。このサイトでは、約1年という期間を使ってアクセス数が徐々に増え、結果的に当初の10倍になった。
データが無いので推測でしかないが、このサイトはいわゆる「ロングテール」に属していると思う。そして、おそらく大半の個人サイトが「ロングテール」に属している。ロングテールとはそういう物だ。
ということはそこに位置するサイトの情報というのは成功した、「ヘッド」に分類されるサイトの情報より需要は大きいのではないか。私はそう思った。少なくとも私自身はその情報を求めている。
今回の記事では、ロングテールに属すると思われる自分のブログサイトが経験した実際のアクセス数と、その時にアップロードされていた記事、さらには外部要因を具体的に挙げて、いかにして読者を獲得したか、アクセス数が増えたときには何が起こったのかを書いていく。
私自身にとってなかなか刺激的で面白い記事になった。そもそもはこのサイトの一年間を回顧する記事を書こうと思っていたのだが、アクセス数という側面から切り取ることによって、もしかすると読者のお役に立てるかもしれない記事にすることができた。たとえ役には立たなくても、これからブログを書いてみよう、本当に個人のブログなんかを見に来る人はいるだろうか、自分のサイトの来訪者をもっと増やしたい、自分が書いた物をもっと多くの人に読んでもらいたい。そういう興味を持っている読者にとっては面白い読み物になるのかもしれない。


なお、この記事ではアクセス数=ページビュー*2としている。本来、ユニークIP*3で語るべきデータもあるが、ユニークIP数の情報が一年分ストックされていないのでページビューをベースとしている。*4



*1:失敗していても気づかないレベルのアクセス数でもあります

*2:閲覧回数

*3:IPアドレスを元にして、一日の間の同一人物からのアクセスは一つと数える

*4:今後もサイト開設時以来からの数字について言及する場合はページビューを使用します。失ったデータは取り戻せません。