101話 天然ジゴロと天然悪女

101話だけど連載100回目。本当にお祝いしなきゃならないのは今週なのかな?
今週はあたかも読者サービスかのように見えて実際読者サービスかもしれない絵から始まる、マリアさんメインのお話でした。とはいえ、日本シリーズに合わせたかどうかはともかく西沢さんとハムスターまで登場してくれて、どの人気投票でも必ず西沢さんに一票を投じている私としてはうれしい限り(笑)。
そうそう、上の記事でも書きましたけれど、Webリングに画像を追加したので、よろしくお願いします。ちゃんと動くかテストをして、うっかり他の感想サイトを見そうになってしまった。自分のを書き終えるまで我慢我慢…。
では、今週の感想。都合により、ポイント→一コマ→人間関係→まとめの順番にします。

ポイント

クラウス

生きてたのか(w

説明

作者は先週のあれを読んで新しく読者を獲得したと思っているんでしょうか?(笑)
いや、獲得したかもしれないけどさ、それも今までよりさらに濃い読者を…。
まじめに書くとこの説明はネタに近いと思います。マリアさんの年齢はネタにされがち。でもね、マリアさんは17才でなければいけないんですよ。他の登場人物とのバランス上も、物語上も。

学年末試験

試験勉強の場面、実際の試験の場面は華麗にスルー。翌日の学校での様子を描くのでしょうか?試験を受けるまで、受けるときの描写より試験の結果がポイントとなるのでちょっと残念ではありますがしょうがないでしょうね。
前々から予告していたイベントではありますが、ここでどういう流れになるかによって終了XDay予想に大きな影響がでます。
なぜかって?
この漫画の場合ハヤテ君が進級に失敗する可能性もあるから。過去に遡ってみてみると、あながちあり得ない話ではない。
ラソン大会で1億5千万円の賞金話を持ち出した。少年漫画的には困難を乗り越えて賞金を獲得する、そこはそういう流れ。なのに…金の亡者が…。
ハヤテのごとく!には普通の漫画のお約束が通用しませんから…
でも、白皇学院入学の時は、苦境に陥った主人公が「力」を持つ登場人物に救われるというお約束的な流れも使っています。「力」がマリアさんの過去への伏線だったわけですけど。そしてその伏線が完全に消化されきっているとは限らないわけですけど。
試験の次のイベントが何になるのかさえわからない今日この頃です。

春休みの旅

イベント予告です。予告したイベントを全部こなす前に新しいイベントを告知するのは仕様でしょうか?当分打ち切りの心配は無いと考えて良さそうです。
引きこもりがちなお嬢さまのナギちゃんが「いかねばならん所」というのはどこなんでしょうか?もしかして、亡くなった両親と関わりがあるのか。あるいは別の秘密開示があるのか。
それがホワイトデーイベントより前か後か。春休みというのがいつからいつまでだったか忘れているおっさんならではの疑問かもしれません(笑)。まじで覚えてないよ。秋休みがあったことだけははっきり覚えているのに…。

秘密

珍しく秘密が出てきた。この漫画、秘密を登場人物より先に読者に開示することが多いですが、マリアさんの設定はなかなか明かしませんね。読者的には明かされても困るんですけどね。
俺はマリアさんの名字は「あれ」だと思っていて、メイドをしている理由もそれと関係があって「そういうこと」だと思っています。というか、それを前提に物語の行く末を予想している。だから、終盤にああいうイベントが起こってそれをトリガーにして、サブキャラを含めた登場人物がそれぞれの選択を迫られる局面が訪れると思っているんですよ。
畑健二郎さんはもしかするとちょっと臆病なのかもしれません。伏線を張るとそれを読み切られてしまって作中で秘密を開示するより先に感想を書く輩が出てくるに違いないと思っているのかも。
そんな不届きなことをするのはいったいどこのどいつでしょうか?
それは冗談ですが、普通なら秘密にする設定を読者に先にばらし、なおかつ登場人物がそれを知った時に、98話みたいな印象的な場面を描くことができるということはわかったので、読者に知らせていない秘密を開示するときにどんな描き方をするのか興味があります。
逆にさらっと流しそうな予感もしているんですけどね(笑)。読者が流れ読めるときに「ドーン」とやらかした方がいいというのもあるでしょうから。

出会い

マリアさんと西沢さんとの出会い。出会いはいつも人助け。西沢さんは、ハヤテ君に助けられ、ヒナギクさんに助けられ、今度はマリアさんに助けられました。物語的に意味はないんだろうけれど気になった。

マリアの何もない一日

畑さんが予告していた話が101話に一部取り込まれていると読みました。それだけではなく、今後への伏線やら、トリガーやらをいろいろ仕込んでいるところが「らしい」です。マリアさんはもしかすると漫画史上最も描くのが難しいキャラかもしれない。冒頭から登場して、ラストシーンには必要なのに、物語に絡むのは終盤に入ってからになってしまいますから。いえ、断言していますけど俺の妄想予想です…。逆にいうとマリアさんが本格的に絡んだら「ここから終盤戦」ってことになると思っているんですけどね。マリアさんを描くの難しいと思う理由は他にもあり、今回の感想でいくつか触れることになります。



今週の一コマ


注目は絵でも吹き出しの中のセリフでもなく左側にちょこちょこ書いてあるセリフです。
天然悪女だろう、これは…。他人のこと「天然ジゴロ」などと言っている場合ではないぞ。
このセリフがマリアさんの本心なのかどうかというので読み方が変わってきます。俺は吹き出し外に書いたことからマリアさんの本心であると判断しました。まずそれが前提。
となると、この場面でのマリアさんはハヤテ君が自分を女性として見ているとは思っていないということになります。ここで生きてくるのが「マリアさんは恋愛経験がない」という設定です。あの話、ギャグだけの話じゃないんですよね。自分が恋をしたことがないのはもちろん、自分が誰かから好意を寄せられるということにも免疫がない。男の子が自分に恋をするなんてことは想定していない。
いずれは物語の渦中に巻き込まれる登場人物でありながら、読者からは観察者的なポジションにいるように見えるのがマリアさんです。そして物語中でもしばらくの間観察者ポジションをキープしなければいけない。
描くのが難しいと思います。



人間関係アップデート

マリアさんがらみで二つ

マリアさんはハヤテ君が西沢さんから明確に告白されたことを知った。
本命チョコレートを渡されたと言うことは知っていましたが、直接的に告白されたかどうかは今まで知らなかった。

マリアさんは西沢さんがハヤテ君に告白したことを本人の口から直接聞いた。


西沢さんから見たマリアさんは「三千院ちゃんとこのメイドさん」で変化無しです。
読者と登場人物との間で情報格差があるので確認しないと嘘を書きそうだ。もう、この項目は書くのやめたい(笑)。



まとめ

試験勉強をほぼスルーしてこの話を持ってきました。といっても、ハヤテ君はマリアさんに教わっているということはきっちり描かれています。簡単な一話完結話のように見えて、伏線満載です。短期的に見ると「春休みの旅」が一番目立ちます。長期的には2005/3/7時点でマリアさんがハヤテ君から好意を寄せられることは想定していなかったことが遠い将来生きてくると思っています。
マリアさんは全てを知っている「長老キャラ」ではない。それを読者に意識させるための101話でしょうけれど、それ以外の要素も当然のように語る。それがハヤテクオリティ。


面白かったのが、ハヤテ君がマリアさんからの「女の子に興味がないんですか?」という質問に答えなかったところ。
西沢さんの告白を断った理由を読者は知っている。そして西沢歩さん、ヒナギクさん、生徒会三人娘は知っている。でも、マリアさんは知らないと言う状況を生み出しました。マリアさん、そしてナギちゃんがアーたんの存在を知るのはいったいいつになるのだろう?
不思議な漫画でね、アーたんが登場しても読者は驚かないんですよ。知っているから。驚くとしたらマリアさんとナギちゃんとか存在を知らない作中の人々。
今ようやく思いついた。この感覚は倒述推理物に似ているよ。「刑事コロンボ」とか、最近で言うと「古畑任三郎」。うーん、でも違うな。あれとはまた違う感覚だ。倒述推理は追いつめる過程を楽しむ感じだから。98話のじわじわ来た衝撃は説明できない。俺の引き出しには当てはまる物がないのかなぁ。


西沢さんの試験問題が高一の範囲とは思えなかったとかいうネタもありますが、今日の所はこの辺で…


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