102話 それぞれの居場所

少年漫画的にこの展開は有りだと思いますけれど、何でこのタイミングで?と思わないこともない。作者が「登校拒否」らしいので、ここでこの話を持ってきたのか。
主人公は逆に集中できなくなっているような気がしますがよいのでしょうか?一見どうでもいい話に見えるんですが、いろいろと深い話も出てきたり出てこなかったり。



今週の一コマ


ポイントで上げるところと迷ったのですがこちらにしました。たまにはメインヒロインのアップも必要だしね〜。春休みは長くなりそうですね。いったいいつになったら桜が咲く季節がやってくるのやら。



ポイント

扉絵

意外な絵。ナギちゃんがスポーツをしている姿なんて…。何でこんな絵をここで持ってきたのか。謎。それに、このナギちゃん、今のナギちゃんとは違うような気がする。気のせいか??

この漫画、意外と毒が強いです。「金持ちと貧乏人」の間に横たわる格差がさりげなく描かれている。その両方を経験した少女と、そのどちらにも属していない少女まで登場するのでこのネタはこれからも多用されると思います。

牧村先生

前にも書いたけれど、ナギちゃんは先生のことはきちんと「先生」と呼ぶ少女なんですよね。違和感があるんですけれど、これは作者のこだわりと見た。

手が届かない

今週の一コマで迷ったのがここ。さりげなくこういうのをギャグ的に混ぜてくるのがなんとも。私の予想通りナギちゃんの背が伸びるのかはわかりませんけれど、時々こうやって小さいことを確認しています。

かわいい女の子

うーん。マリアさんが…。動揺している…。いかん。物語の進み方が思っているより速い。予想ははずれているのかも。

敵意

主人公が自分の位置を奪いかねない他の登場人物に対して、自発的な敵意を持った。攻撃をされてそれに対応することはあったけれど、こういうパターンははじめてじゃないかな。
ナギちゃんの成長速度に比べるとハヤテ君は初登場の時から大して変わっていません。この話はハヤテ君が変わるきっかけになるのかもしれません。

扉絵煽り

1億5千万をめぐる壮大な物語!!

忘れかけていた設定を思い出させてくれます(笑)。でもそれだけじゃなくてね…。
煽りで「壮大な物語」なる言葉を使っちゃっていいのかなと思うんですよ。何度も書いていますけど少年漫画ってのは厳しい世界で、ある程度の人気が得られなければ、たとえ物語の道半ばであっても打ち切りの憂き目にあってしまう。しかも、ハヤテのごとく!の場合は、作者があらかじめ終わりを決めていることを明かしていて、しかも予定よりも進み方が遅くてそこに到達できるか危惧していることまで語ってしまっています。
ここでこんな言葉を見せられると、読んでいる方としては「やはり編集サイドも腹くくっているな」と思ってしまいます。バックステージ一周年に書かれたあの言葉からもそう思いましたが、本誌上の言葉とは読む人の数が違いますから…
もしそうならうれしいですけどね。たぶんこの作品は無事に完結するだけで、その後何十年、あるいは何世紀も読み継がれる物になるでしょうから。



人間関係アップデート

マリアさんの動揺はあるけどなぁ。特にないかなぁ。こういう登場人物の心の機微を読みとるの苦手なんで俺はこれをやるには不適任だと思ってるんですけれどやり出した以上はしょうがない(笑)



まとめ

サブタイトルにもあるように、この話のメインテーマは「帰れる場所」、すなわち「居場所」です。ハヤテ君の居場所を奪いそうな13号*1が登場します。
この話の落ちは、13号が実はハヤテ君のコピーという事が判明して丸く収まるとか言う感じかなと思っています。ハヤテ君から「不幸」までコピーしていてそれが弱点になるとか。そうすると今週のマリアさんの動揺が生きてきますから。と予想をしてもいつもはずれるのでどうしょうもないですけど。


さて、「居場所」というのがテーマになっていたので、今日別記事で登場人物の出没可能場所という表を作ってみました。今までに出てきてない場所として、コミックスやバックステージでハヤテ君が前に通っていた高校の同級生が今後活躍することが示唆されています。また、春休みにナギちゃんが「行かなければならない場所」ももしかすると移動可能ポイントかも。そして、表にはいれなかったですが、ミコノス島も。
インタビューなどで畑健二郎さんが語ってましたが、この漫画は登場人物が出没できる場所が増えていくという特徴を持っています。ドラクエみたい。そこに行くには試練が用意されていたりします。例えば不審者として捕まってみたり、例えば不審者として捕まってみたり、また時には不審者として捕まってみたり…。同じですね…。
たまには公園で拾われるというのもありますけれど、登場人物がなじみのない場所に出没するにはそれなりの理由が必要になるというルールになっています。
前に作った言葉をこの先引用します。「ナギの世界」「歩の世界」「ヒナギクの世界」です。
「ナギの世界」の住民、お金持ちとその使用人たちは、ワタルのビデオ屋を接点にして、普通の人が住む「歩の世界」と交流しています。また、「ナギの世界」の住民は、白皇学院を接点にして「ヒナギクの世界」と交流しています。また、「歩の世界」と「ヒナギクの世界」との接点は白皇学院と桂邸になっています。面白いことにここまでで「ヒナギクの世界」の住民がビデオ屋に行くことが描写されていない。
それぞれの世界は独立しています。
何が言いたいかというと、最近目につく屋敷派と学園派の対立、その原因はこの構造にあると見ているんですよ。屋敷派が好むのは「ナギの世界」での話、学園派が好むのは「ヒナギクの世界」での話です。表にあるように出没ポイントが微妙にずれているんで、両方の世界の住民を同時に描くことができないんですね。たとえばナギが桂邸への神出鬼没ライセンスを得ることができれば状況は変わってくるんでしょうけれど。
こういう対立が生まれるであろう事は作者も編集出版サイドも予想していたと思います。微妙なバランスでどちらかに偏らないように注意を払っていると思います。両方とも大事なお客様ですから、どちらか一方を優遇するとは思えない。実時間で後何年かすれば、それぞれの世界が融合してくるのでこの問題は忘れ去られると思っていますけど、ファンの対立とそれぞれのわがままな希望・要望はトゥルーエンドに向けての障害の一つとなるので心配ではあります。私が書いても何の説得力もないですか、そうですか(笑)。


今日の感想はこの辺で。




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*1:不吉な番号(w