機械式時計 解体新書

機械式時計 解体新書―歴史をひもとき機構を識る

機械式時計 解体新書―歴史をひもとき機構を識る

対象物を良く知らない人間が、こういう「物欲系」「うんちく系」の本の感想を書くのはどうかと思います。しかし、非常に面白い本なので紹介します。
ある程度以上の年齢、特に男性は、子供の頃に家の時計を壊して怒られた経験がある人が多いでしょう。私もそうでした。時計は、子供心をくすぐる機械です。ところが、あるタイミングでそのメカメカした部分は失われました。クオーツの登場です。
最初は高級品だったクオーツ時計がどんどん安くなり、いまじゃ\980とかで売られる始末です。下手な繁華街のランチより安い。それに引き替え機械式の時計は逆に高くなっているような印象を持っています。
東京に住んでいた頃はまだクオーツ時計が無くって機械式の時計に囲まれていました。引っ越しの時に全て処分してしまいましたが、一つくらい取っておけば良かったなと今さら思っています。


この本では、まず、時計そのものの歴史について記述されています。そして、その後生み出された機械式時計の構造、さらにはクオーツなど現代のテクノロジーまでを網羅しています。
今では誰でも簡単に正確な時刻を知ることができますが、時間を計ると言うことに、昔の人がいかに心を砕いてきたか、それを知るという意味では一種の歴史書のような趣もあります。


末尾に機械式時計カタログがついています。私は見た目のきれいさにはこだわりませんが、精緻なメカニズムには溜息が出ます。そして…値段にも…。
実用上は機械式時計より優れている物がたくさんあります。私なんかは自動補正がかかる携帯電話の時計で十分満足しています。
でも、いつかはスケルトンの機械式時計を入手したいという物欲はあります。もちろんできるだけ安くていい物を(笑)。


カテゴリ 読書感想文
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