杉浦一機著『航空運賃のカラクリ』空の川島本

航空運賃のカラクリ―半額チケットでなぜ儲かるのか

航空運賃のカラクリ―半額チケットでなぜ儲かるのか

わかる人には見出しだけでこの本がどういう本かわかるはず。なので感想はこれでお終い。


でも、それはもったいないのでちょろっと書きます。
海外旅行に何度か行った時に航空運賃には悩まされました。一般的なサラリーマンをしていたので(実は嘘)年末年始とゴールデンウィークくらいしかまとまった休みが取れません。年末年始にスキー旅行に行くことが何度かありましたが、9月の内にチケットを押さえないとかなり高くつく。逆にうまいこと押さえればかなり安く行けた。


航空運賃はわかりづらいです。一物二価どころか十価もあったりします。その理由は表紙の袖に書いてある。客ごとに採算を考えているのではなくフライトごとに考えているから。
正規価格のチケットと格安チケット、そしてビジネス・ファーストクラス、それぞれの価格バランスを微妙に取り空席が発生しないように工夫をしています。
私は鉄道マニアだから余計にそう思うのかも知れませんが、飛行機はわかりづらい。鉄道だって同じような運賃ディスカウントはありますけれど、それが見やすい。たとえば冬の上越新幹線で行くガーラ湯沢。時期によっては越後湯沢往復運賃より安い値段でリフト券がついている(笑)。でも、それは目立つところに書いてありますし、その日にその旅行をすれば必ずその運賃です。飛行機の場合、運賃部分がどこまでなのか隠蔽されているツアーはもちろん、チケットオンリーでも値段がわかりません。




惜しむらくはフライトごとの採算の実例が欲しかった。例えば高コストのファーストクラスに何人、ビジネスクラスに何人、利益が高い正規チケットのエコノミークラスに何人格安で何人で収入がいくらになりフライトコストはこのくらいだから1フライトでこのくらい儲かる皮算用だとか…。
それがあると説得力が増したと思います。
もしかすると、そういう仮定で語るようなことを著者は好まないのかも知れません。数字にすると説得力は増しますが、説得力が一人歩きすることもある。






蛇足ですが、川島本ってのはこういう本のことです。
全国鉄道事情大研究 東京東部・千葉篇〈2〉

全国鉄道事情大研究 東京東部・千葉篇〈2〉

一揃え持っていますが、何か?
道路の川島本もあります。
この高速はいらない。―高速道路構造改革私案

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当然持っていますが、何か?