読書感想文 高橋弥七郎著『灼眼のシャナ』7巻

灼眼のシャナ〈7〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈7〉 (電撃文庫)

ここで作品世界が変わりました。今日は他作品を引き合いに出しながら感想を書いてみます。あんまりやりたくないんですけれどね。読者層かぶっているだろうしその方がわかりやすいだろうし。
今まで坂井悠二に対して「普通の人間」だと思って接していた人々に秘密が開示されました。
この作りは確かに『ハヤテのごとく!』に似ている。とてもよく似ている。一つの事象を何人かの登場人物の視点で描くところも似ている。それをシームレスに描くところも似ている。8巻感想でたぶん書きますが、『ハヤテ』には難しいであろう小説ならではの表現もある。
そうか。これをもっと早くに読んでいれば……。


ただし、前にも書いたけれど、『灼眼のシャナ』と『ハヤテのごとく!』は決定的に違う構造を持っています。抽象的に言うと『灼眼のシャナ』は今までの概念でいうところの物語であるのに対して『ハヤテのごとく!』はその範疇には入らないというところですね。簡単に言うと筋道立ててあらすじを言い当てることができるかどうかです。


前回の感想でちょろっと書いた吉田一美については別記事にします。短いですけれどね。なんとなくそういう気分。




ここまで読み進めてみて、私の主観で「面白さ」のランク付けをしてみると……

になります。
ところが、小説としての良さ、いや、あくまでこれも私の主観での「良さ」ですが、こうなります。

涼宮ハルヒの憂鬱』が飛び抜けてすごいという感覚は変わらないですね。『灼眼のシャナ』シリーズは全体としていろいろな仕掛けをちりばめています。こういうのが私は大好きです。『ゼロの使い魔』は仕掛けはほとんど施していない。直球勝負。でも物語が飛び抜けて面白い。


あくまでも個人が感じる面白さに限って言ってもいろいろあるんだなぁと改めて感じました。


余談ですが、この小説を読んでもなぜか私は『萌え』を感じないです。実は『涼宮ハルヒの憂鬱』からもそれを感じなかった。今まで読んだ、いわゆるライトノベルに分類される作品で強烈にそれを感じたのは『ゼロの使い魔』のルイズくらいですね。
ってことは、逆に言うと、『萌え』なんていう概念からは縁遠い人が読んでもこれらの作品は十分楽しめるって事何じゃないかなと思うんですよ。