読書感想文 船山信次著『毒と薬の世界史』 世界史シリーズ第5弾

毒と薬の世界史―ソクラテス、錬金術、ドーピング (中公新書)

毒と薬の世界史―ソクラテス、錬金術、ドーピング (中公新書)

お待たせしました。一部で人気があるのかも知れない新書世界史シリーズの最新作です。誰も待ってないでしょうけれど……



人類と毒、そして薬との関係を時代を追って丁寧に解説している良書だと思います。しかし、読んでみた感じ、もうちょっとマニアックな物を期待していたので「あれっ?」って感じでした。
毒や薬が無ければ今我々が知っている歴史は存在しなかったみたいな話が大げさに書いてあるのかなぁと思っていたんですよねぇ。読む方としてはそういう考え方に心地よくミスリードされるってのもなかなか楽しい物なのですよ。


それでも、やっぱり新書の「世界史」シリーズにははずれが無いなぁと思うんですよ。きっとこの本は10年経っても古さを感じないと思いますよ。本来新書っていうのはそういう物だと俺は思っているので今現在問題となっている社会現象やら、話題になってものすごく売れちゃった本やらには手を出したくないんですよねぇ。


読書感想文の題材として見た場合、化学や医学に興味がある人には向いているのかも知れない。でも、私だったら避ける本だと思います。感想が書きづらい。どこにポイントをおけばよいのやら……って感じです。