『とらドラ!』の次の展開はドラマ化でしょ?

とらドラ10! (電撃文庫)

とらドラ10! (電撃文庫)

最近読み始めたにもかかわらずすっかりはまってしまいました。原作もアニメも完結して『とらドラ!』という物語、高須竜児と逢坂大河のラブストーリーはこれでお終いですが、商業的にはここからが始まりになるんじゃないかなと思っています。


アニメの方は若干その色が薄まっているとは思うのですが、原作から強烈に感じたことがあります。


この作品、売り方間違っている!


ネットでの感想を見たり商品展開を見たりするといわゆるオタク層をターゲットにしているじゃないですか。それは違うんですよ。本来は。逆に本来受け入れられそうもないオタク層に受け入れられたってのがこの作品の持つ力なのかなと俺は感じていますけど。
とらドラ!』のメインターゲットは女性と中高年でしょう。うまいことプロモーションすれば周辺商品は売れないけれど原作はかなり売れると思うよ。
女性がターゲットという話は原作最終巻の感想書いた日に書いたので割愛します。
アニメでは全く違う話になっていましたが、原作の10巻はある程度以上の年代だとツボに来る可能性高いと思うんだよねぇ。娘を奪った憎い男によく似ている竜児一人では高須家の和解はあったかどうか……。小さくて(少なくとも見た目は)かわいい孫の彼女なり嫁なりがいて初めてわかいできたんじゃないかなぁと思ったりするんですよねぇ。男目線だと。もしかしたら作者はそこまで考えていないかも知れないんだけれど妙にリアリティがある。


年寄りは泣くと思うね。原作のあの場面は。アニメの方が若者向けになっていますね。


現在の主要ファン層でもあり、この記事を読んでいる人の多くがその属性を持っているので書きづらいんだけれど、でも書いちゃうけど、『とらドラ!』にとっては、アニメでブレイクしたってのはもしかしたらこの先大きなハンデになるかも知れないです。勝手に「ああ、そういう作品なんでしょ?」と思っちゃう人がいるはず。俺だって4年前だったらきっとそう思っていましたね。


おそらく同じような事を考えている人はたくさんいると思うのですが、『とらドラ!』はアニメにはあまり向いていない。むしろゴールデンタイムのテレビドラマにマッチしています。アニメではなく原作準拠で話しますが、8巻9巻10巻とドラマだったらものすごく盛り上がると思うんだ。
そして、アニメ最終回を見て、もう一つの強みに気づいた。経路が違ってもそれはそれで面白いんですね。物語が終わった後どうなるかは決まっているけれどそこに至る道順が違うだけでまるで別物になってしまうのを目の当たりにしてしまった。ドラマでもこれはできるはず。
ずいぶん前に『ゼロの使い魔』がハリウッド映画に向いているっていう話を書いたんですが、それと同じ感覚なんですよ。ハリウッド映画とドラマじゃずいぶん違うじゃんと思われるかも知れませんが、内容の善し悪しではなく単なる向き不向きです。


でも、『とらドラ!』にはもう一つハンデがある。
それは、テレ東……。
テレ東なんだよ。テレ東。申し訳ないけれどテレ東。失礼だけど、思わぬヒットにめぐまれることはあっても「作られたヒット」を産み出すまでの力は無いような気がしています。


もし、適切にお金をかけてドラマ化して、ちゃんとプロモーションかければいいところまでいけると思うんですよねぇ。少なくとも原作は今より遙かににたくさん売れる。だって、本来のマーケットにまだ届いていないんだもん。


ただ、そうやってできた作品が、今の原作やアニメのファンに受け入れられるかというと受け入れられない可能性の方が高いとは思います。
ドラマ化されてもそれはそれでまた別物。でも原作への入り口にはなる。ファンとしては、俺なんかがファンというのはおこがましいので言い方変えましょう、原作やアニメで感動した人にとってはそれだけでも十分なんじゃないでしょうか?。