読書感想文 『ビールの科学』

ビールの科学―麦とホップが生み出すおいしさの秘密 (ブルーバックス)

ビールの科学―麦とホップが生み出すおいしさの秘密 (ブルーバックス)



このサイトはこの時期、小学生高学年から高校生くらいまでの人が読書感想文のネタを探しに来ることが多いのですが、そういう用途には全く向かない本ですね(笑)。
個人的に「酒もの」の本は好きなんですよね。酒って微生物の作用を人間がコントロールして作る物なので技術的に面白い話が書いてある事が多いので……


ビールという酒は、おそらく世界で一番製造工程が工業化されている酒でしょう。日本酒とかワインの醸造に比較すると職人芸的な何かが入り込む余地は少ないのでは無かろうかと思いがちですが……。そうでもないらしいです……。


この本で理由が解説されていますが、よく考えてみるとビールって不思議な飲み物ですよね。あの泡がね。コーラとかサイダーの泡ってあっという間に消えるじゃないですか。シャンパンも。なのにビールって上の方に泡が残る。つぎ方が下手だとコップのほとんどが真っ白みたいなことになることも多いですからね。
ビールにとって泡の果たす役割は決して小さくないとのこと。適度に泡持ちする大麦の品種を作り出すという試みまで行われているとのことです。すげーなー。
泡というと、船橋オートでおばちゃんが次いでくれた紙コップビールの泡の味が忘れられない。「泡だけくれ!」と言いたくなるくらいうまかったんですよ(笑)。ますます青少年向けでは無くなってきました(笑)。


ブルーバックスのこういう科学職人物は読んでいて楽しいです。その職業に就いていなくても、いや、就いていないからかもしれないですね、知的好奇心を満たすことができますね。