ライトノベルを再定義してみる

結論から書きます。




ライトノベルとは、挿絵(イラスト)と文章を分けて考えることが難しい小説である。






私がラノベを読み始めたのは2006年の夏からで、そのあともそれほど多くの作品を読んだとは言えないのですが、ライトノベルと言われている作品群には何となく統一感はあるなぁという感覚は持っていました。しかし、それがなんなのかは自分でもイマイチわかってなかったんです。
ライトノベル特有の文章表現とか設定とかってのもありますけれど、その程度は極々小数しか読んでいない私に取ってすら作品ごとに大きく違う物だったので、ライトノベルというジャンルを特徴付けるものであるとは思えなかったんですよね。


ところが昨日ひらめいた。つまり、ライトノベルってのはイラストと文章が不可分になっている一連の作品なのではないか!少なくとも私にとってはそうですね。


メディア展開や2次創作はあるけれど、基本的にはそれらもオリジナルのイラストが元になります。時には、イラストレーターの描いたデザインが小説に影響を及ぼすことだってあるでしょう。そして、逆に、オリジナルのイラストとまったく違う挿絵をつけたら、それは元の作品とは違う作品になってしまうのではないかと思えるんです。


そう言う定義をしてみると、今まで内容的にはライトノベルと区別が付かないと感じていたにもかかわらず、どうもライトノベルと言うには躊躇する作品があった理由が明確になります。
たとえば筒井康隆作『時をかける少女』。未だに人気の作品ですが、どうも私の思うライトノベルというのとは違う。その理由は、特定のキャラクターデザインと結びついていないからなのですよ。
逆に、通常ライトノベルとして扱われていない小説でも、私にとってライトノベル的な作品だってあるはずです。それはなにかと考えてみたら……。『星の王子さま』でした。つい最近まで読んだ事が無くて有名なセリフとイラストしか知らなかったんですよね。そして、少なくとも私には、そのイラストとその作品とは決して切り離すことができないんですよ。




Wikipediaを見ると、ライトノベルという言葉が生まれた時代には私はその対象となる作品を全く読んでいませんでした。なので、その言葉を提唱した人たちと共通認識を持つ事はできないと思います。
しかし、つい最近読み始めた私にとっては「ライトノベルとは、挿絵(イラスト)と文章を分けて考える事が難しい小説である。」という定義が一番しっくりとくるんですよね。