ハザードラボの地震予測情報を見守りたい
個人的には残念ながら地震の規模と時期、それに場所を事前に、かつおおむね正確に予測することは著しく困難だと思っています。
それはあくまで「現時点では」という但し書きつきです。
もしかするとデータが蓄積され、観測網が整備されればそれが可能になるかもしれないとも思っています。
幸か不幸か……、と書くのも気が引ける感じではあるのですが、ほんとうに幸か不幸かなんですよね、東海地震、あるいはもっと範囲を広げてもいい、東南海地震も起きてないんですよ。駿河湾を中心に構築した観測網によって地震の前兆を捉えられるか否かは検証されていません。もしかすると、今の方法、今の規模ではダメなのかも知れないですけれど、ダメかどうかも含めて検証されていないんです。
もし仮に、普通に考えればありえないことですけれどね、東海地震が起きていて、その時に実際前兆を観測網で捉えることができたとして、そしてさらに経済的にペイできるという判断があったとして、宮城県沖にも観測網が敷かれていたら、もしかするとあの地震の前兆も捉えられていたかもしれないんですよね。それを否定する根拠はなにもないし肯定する根拠もなにもない。
強大なる自然はちっぽけな人間の些細なたくらみなんか、鼻にも掛けていないんでしょうけれどそれでもしっぽを捕まえることくらいはできていたのかもしれないんですよね。
上記でリンクを貼ったサービスは、地表面の観測ではなく電波の伝わり方を元にして地震を予測しようと言うものです。この方法が東アジアのこの地域で本当に有効かどうかを私はまだ知りません。
しかし、公開の場で、一種の社会実験としてこのサービスを運用することは、うまくいってもダメであっても有意義です。仮説が正しいことが証明されるのも大事ですが、それではうまくいかないということがわかるのも同じくらい大事です。
予測する地震はマグニチュード5以上。日本周辺では日常的に発生している規模です。考えてみれば観測機会という意味ではこれほどまでに地震研究にとって恵まれている地域は世界中ここしかないんじゃないですかね?
東海と同じような観測網を構築することは現時点では間違いなく経済的にペイできないでしょうから別の方法も模索していかないといけないでしょう。そして、それが信頼を得るためには、都合の良いデータも都合が悪いデータも等しく整理公開されているという状況を作り出さないといけないのでしょう。