メタンハイドレートへの過大な期待と過小評価

あくまでも技術的に可能なことを実証しただけであって、今すぐ商業的に生産できるということではないのは記事のとおりでしょう。




今回調査対象となっている海域には日本で消費する14年分?の天然ガスが眠っているとテレビでは言ってました。何も気にせず掘りまくれば10年戦える南関東ガス田よりも埋蔵量多いんですね。
記事で引き合いに出されているシェールガスシェールオイルも、技術革新はあったにせよ原油高というのが追い風になっているはずなので、メタンハイドレートもそのうちそういう追い風が吹いて思っているより早くに商業生産が始まる可能性もあるでしょう。逆に向かい風になったら技術保存のために細々と採掘をすることになるでしょう。


現状ではこの資源への過大な期待は禁物だと思います。いざというときには掘れるけれど残念ながら他の手段で入手した方が圧倒的に安い。
しかし、そのいざというとき、つまり、あんまりというか全く考えたくないですが、日本への輸入経路が紛争などによって遮断された場合に、自国の自由になる資源を手の内に収めておくということは非常に大切なことになります。
思えば過去の戦争でも、それが日本の国が侵略に走ったモチベーションであるという話しも聞きますし。他の国がどう思っているかはわからないですが、今の日本では外を攻めてまで自国の権益を守ろうという意識にはならないと思っています。なので、今統治している範囲で資源を持つことが非常に重要でしょう。


話しは飛びますが、もし仮に今後の日本のエネルギーが天然ガス偏重になったとしたら、風が吹けば桶屋がもうかるじゃないですけど硫黄鉱山が復活するかなぁと思ったんです。
石油を精製すると、副産物として硫黄が発生し、その硫黄が鉱山で掘るよりも安いから硫黄鉱山は衰退し結局1つも残らなかったんですよね。
その石油精製施設が劇的に減ったら、産業で使う硫黄や硫酸を生産するために硫黄鉱山が復活するかも知れません。
もちろん、石油精製施設の閉鎖という大きな痛みを伴っての産業復活ですけれどね。