念願の大勝軒

もう30年近く前の話です。
20世紀末、昭和から平成に変わった頃、高度経済成長からバブル経済を経験し、日本、特に東京は近代化され物質的に豊かになってからの話です。
仕事の昼休みに散歩をしていたら当たり前のようにオート三輪が走って行きました。ノスタルジックな映画のワンシーンのような光景。ふと横に目をやるとそそりたつ高層ビル。そして反対側に目をやると行列ができているラーメン屋さん。
そう、そこは東池袋大勝軒からすぐ近くでのできごとでした。




未だにその時のことは覚えていますが、未だに自分の妄想との区別がついていません。あの光景は本当のことだったのだろうか?自分の目ではっきりと見たはずなのに自信がありません。
そして、その光景は行列ができるラーメン屋さんとセットになって頭の中にこびりついていました。
その当時から大勝軒は有名なラーメン屋であって、もりそばと称されるつけめんにおいてはパイオニア的存在であるということは多くの人が知っていました。だからこそ近所で働いているサラリーマンでも気軽に昼休みに立ち寄れる店ではなかったのです。


そして時は過ぎ、いろいろなものを食べ、ついに昨日、初めて東池袋大勝軒系のラーメン屋に入りました。なんでかわからないけれど一度も行ったことが無かったんですよ。何度も何度も前は通っているのにね。東池袋大勝軒系かと思って入ったら永福町大勝軒系だったことはありますけど(笑)。
行ったのは小川町大勝軒。最近できたと思っていますがもう10年は経っているかもしれませんね。並びの丸亀製麺よりは古いです。ラーメン屋というより喫茶店にした方がマッチしそうな立地です。


食べてみて思ったのは、そういう先入観念があるからかもしれないけれど、中華風つけめんの源流はこれなんだろうな、という感想でした。このもりそばをベースにしていろいろなアレンジが発生したのかなと。量は多いけれど最後まで食べ飽きなかった。頻繁に行くつじ田とはカテゴリーが違うので比較が難しいです。あえて言うならつじ田みたいなパンチはないけれど安心する味とでもいいましょうか。値段も都心では良心的だしまた行きたいなと思わせるお店でした。次はラーメン食べてみようかな。でもあそこまで行くとついついつじ田まで足を伸ばしてしまう……。