殺人的混雑緩和のために常磐線、千代田線がやってきたこと

かつての殺人的混雑を知っている身としては最近の常磐線はものすごく温い混雑具合です。身の危険を感じるほどことは滅多にありません。逆に言うとかつては毎日身の危険を感じながら通学通勤をするのが日常でした。そしてそれをいかに軽減するかに腐心していました。
常磐線沿線に住む人たちは下手な鉄道マニアよりもよっぽど鉄道に詳しいです(常磐線についてのみですが)。車両の運用、切符の買い方、ダイヤ混乱時の対応、それらは生活に必要な情報なので自然に身についています。新松戸に住む人の常識と両隣の馬橋北小金に住む人の常識とは違うような非常に細かい情報にも熟知していたりします。
詳しくならなければ生きていけない。そんな殺伐とした常磐線がどうしてこんなに空くことになったのか。その理由をよく知られたものばかりではありますが列挙していきます。



  • 1.快速の15両化

なんといってもこれが一番効いています。輸送力は単純計算で1.5倍になります。まず中距離列車が12両から15両になり、その後緑の快速電車が10両から15両になり。その過程ではどう考えても不可能に見えた三河島駅ホーム延伸という工事もありました。工事自体は小さいんだろうけれどあれはさすがに無茶しすぎだと未だに思っています。副産物として都心の過疎駅であった三河島と南千住に停車する列車が増え、ずいぶん人の流れも変わったなと感じています。

松戸からではあまり影響を感じないのですが柏はかなり空いたとのことで、上記15両化と相まって、今まで乗れない状態で松戸駅にやってきて無理矢理客を乗せて発車していった快速電車が乗れる状態で松戸駅にやってくるようになりました。緩行線からみると電車の向こうが見える状態です。まだまだ全然詰め込めることがはっきりわかりますね。
そのTXはかなりやばい状況になっていますからそのうち乗客の逆流も始まるかもしれませんね。

この運用をやっていることによって朝の所要時間は昼に比べてかなり延びてはいるんですが、駅間停車することはずいぶん減って心理的には大きな違いです。結局北千住でいかに乗客を収容するかが常磐緩行千代田線の朝ラッシュにとっては大きな課題であって、北千住に次々と列車を送り込むための綾瀬交互発着なのではないかと思っています。

丸一日北千住綾瀬間を止めて工事をしました。この効果は絶大です。制限速度が上がり駅間停車が減りました。所要時間も減りました。

これもまた施策の地味さからは想像もつかないような大きな変化でした。大手町駅手前のポイントで速度を落とし、それでも前後左右に大きく振られていて時々乗客が倒れることがあったのですが、その原因となっていたポイントを改良しました。大手町駅の進入速度が上がることで遅れがずいぶん圧縮されて駅間停車も減りました。

よその地域から引っ越してきて千代田線を利用することになった人は驚くのかもしれませんね。まず、威圧感のあるブザーの音。なんか異常が起こったのかとすら思わせる音色です。ブザーが鳴り終わると基本ドアを閉めちゃいます。もちろん安全確認はするし、ホームにはアルバイトも含め多くの職員が待機していて事故が起こらないようにケアしていますが、普通なら閉めないタイミングでドアを閉めてくれます。これがめっちゃ大きかった。北千住から西日暮里までは押しつぶされて息が苦しいし、町屋では開かない扉が散見されるのがデフォだったのがうまくいくと本を読んだりケータイスマホいじったりできるようになりましたからね。北千住はジャンクション的なターミナルで、常磐線東武線、TXからやってきた乗客は自分の目的地に向かうために最適な路線に乗り換えます。見ていると千代田線と日比谷線が主力で、常磐快速線東武線の半蔵門線直通がそれを補完するというのが現状になっているようです。


結果的には悔しいことに迷惑乗り入れと言われた施策が当たって緩行と快速の乗客分散に大成功した常磐線
決していい施策とは言えないものもありますけれど他の混雑路線にも応用が利く対策がありそうに思えます。