「時をかける少女」というジャンル

また映像化されている筒井康隆の代表作兼異色作の「時をかける少女」。もしかすると世界でも1ページ、1文字あたり最も稼いだ小説かもしれないと最近思い始めています。
とにかく短い!あっという間に読み終わります。小説を読むという行為に慣れていない人でも2日以上かけて読むのはかえって難しいのではないでしょうか?


この記事を書くに当たり原典ではなく自分が書いた感想文を読み返してみたのですが、恐ろしい作品ですなぁ。
書いた当時に筒井康隆がそこまで意識していたかはわからないですが、時代を感じさせない仕掛けがそこかしこに仕掛けられているんだなと思いました。
今回の映像化は静岡県の海辺がモデルになっているみたいです。実際のロケ地がどこかはわからないですがあの地形だとモデルは伊豆でしょうね。場所も関係ないんですよね。
例によって今回も細かいプロットは今風だし全然違うんですがこれはこれで「時をかける少女」というのが不思議でしょうがない。
これはもう小説の1作品というよりジャンルなんだろうなと思います。
思春期の少女がタイムリープする能力を身につけ、出会いと別れを経験するという基本設定があまりにもよくできすぎている。




それにしてもやっぱり「ラベンダーの香り」なんだよな。富良野倉本聰さだまさしだけではなくて筒井康隆にも感謝した方がいいんじゃないかとか思ってしまいます。
ラベンダーという単語を初めて聞いたのはこの小説最初の映像化作品「タイムトラベラー」でしたからね。