北千住トポスの思い出

懐かしい。そしてよくここまで続いたなという思いです。


子供の頃、自転車を手に入れて、体も大きくなって行動範囲が広がりました。日暮里や三ノ輪、荒川遊園地に行ったり、荒川放水路の河川敷を走り回っていました。
けれども、川を越えて北千住まで行くというのは大冒険でした。地続きの日暮里と距離はさほど変わらないですが、橋がないから思いっきり遠回りをしなければならないし、知らない町に行くという恐怖感もありました。
ちょうどその頃開店したのが北千住のトポスでした。


ディスカウントストアという名前は子供心にそそられました。たくさんものがあって何でも安い。まるで夢の国みたいに思えました。しかし、実際に行ってみるというほど安くは感じませんでした。安さよりも物の多さにわくわくしました。
当時、そしてたぶん今でも、あのあたりは物の値段が安いです。何度も書いていますがイトーヨーカドー赤札堂は高級店という位置づけです。トポスは、高級店よりは確かに安いけれど町場の店に比べると安くはないというイメージでした。箱ごと並べる飾り気のないディスプレイなど、今では当たり前の光景が非常に新鮮でした。


北千住という商売をするには厳しい環境でよくこれだけ長く続いたなと思います。
イトーヨーカドーとトポスの閉店はあの町の変革を意味するのかもしれません。
跡地は再開発をするとのこと。北千住はまだまだ開発の余地があり、つくばエクスプレスのところにある無駄に広いコンコースの裏にどんな計画が潜んでいるのか気になったりしています。
もしかするとごちゃごちゃと建て込んでいるところを区画整理して、トポスの跡地あたりまでをこぎれいな町にするのかもしれません。
私が生きている間にはそうはならないような気はしますが。