常磐線運転再開でとても気になること
あの津波で不通となっている常磐線が一部区間で運転を再開します。
元の設備を復旧するのではなく、より安全な場所に移設し、さらには既存の道路との立体交差を施しという大規模な工事をした上での復旧です。
地元の皆様にはこみ上げるものがあるでしょう。
復旧工事の様子はGoogle Mapの衛星写真でも確認ができます。そうするとあることに気がつきます。
- 駒ヶ嶺駅
この駅は移設していません。
わずかに山側に移設した上で高架化しています。
- 坂元駅
完全に山側移設です。新たに整備された市街地と駅を一体整備しています。東京郊外の市街地と見分けがつかない風景になりそうです。
ここも坂元駅同様です。交換設備がありますね。たしか仙台から山下までの区間運転も多数設定されていたはずです。仙台通勤圏なんでしょう。
駒ヶ根駅同様移設されていません。
さて、お気づきになったでしょうか?
俺は、おや?って思ったんですね。
元々の駅を復旧した駒ヶ嶺駅と浜吉田駅、それと今回移設する駅のうち交換設備がある新地駅と山下駅を比べると明らかに違いがあります。
それは、交換設備の有効長です。
新地と山下は複線になっている区間の長さが非常に短いです。
昔は常磐線にも特急列車がたくさん走っていたからでしょ?という話はありますが、あの地震と津波に襲われる前の常磐線には特急列車よりもさらに長い貨物列車が多数走っていました。
東京から東北、北海道へのメインルートは中通りを走る東北本線ですが、そのサブルートとして常磐線も使われていました。
今後復旧が進み、東京から仙台、路線的には日暮里から岩沼までがもう一度つながったときには、また貨物列車も常磐線を使うようになると思います。
その時に、駒ヶ嶺から浜吉田までは貨物列車側が待避できる交換設備がないというのは足かせになってしまうのだろうなと思いました。
それほど高頻度で走るわけではないので困ることはないのではとも思いますが、貨物列車の重要性とそれに伴う制約は青函トンネルの話で懲りていると思うのですが、このようなスペックでの復旧となっています。