ドメスティック・ローカルスポーツイベントの火を消してはならない

箱根駅伝、今年も見てしまいました。
毎年話題になるのは箱根駅伝の「人気」と「格」の格差です。日本国内で開催される陸上競技のイベントとしておそらく一番人気があるのは箱根駅伝ですが、イベント自体は日本全国ですらなく関東地方のローカルな競技会で、そこが到達点になっているのは世界的に勝負できる選手の育成にマイナスになっているのではないかという話です。
私はそうは思いません。




他にもそういう「格」や「レベル」という面には劣っているけれど人気が高いスポーツイベントというのはあります。
すぐに思いつくのは高校野球です。大人気です。日本で言うと他にはすぐに思いつきませんが、アメリカではカレッジフットボールがプロのNFLをもしのぐ人気だそうで同じような現象は起きているみたいです。


箱根駅伝に限っていえばあの競技のルールが非常に極端というのが人気の秘密の一つだろうとは思います。
今の時代あんな競技会おかしいでしょうね。かつては社会人でも東京青森とか九州一周とか「はぁ?」と思ってしまうようなのがありましたが今はなくなったようだし、なにより小田原から箱根まで一気に駆け上がって駆け下りてって普通の競技ではないわけで。だからこそついつい見てしまうんだろうなと思います。モータースポーツでいうとパリダカとかルマン24時間みたいな感じです。
他にもローカル色というか帰属色があるというのも人気の理由なのでしょう。出身校が出れば応援するだろうし地元の高校の卒業生が出ればやっぱり応援するだろうし。それはアメリカのフットボールも同じようなところがあるのかもしれませんね。


話を戻すと、人気はあるけれど競技レベルとしては低いドメスティック・ローカルイベントですが、私はものすごく存在意義があると思うのですよ。
そこを目指す人が一定数いるんですよね。
つまり、競技の裾野が広がる。
注目度の高いイベントが無くなったらその競技を目指す人自体が減ります。
だからと言ってドメスティック・ローカルイベントで将来ある才能が燃え尽きてしまうのはよくない!という考え方もあるでしょうが、それはそれで競技者個人が自分で立ち向かうべき問題なので外野がどうのこうの言うことはできないと思います。そのイベントがなければその競技者が生まれることすらなかったかもしれないのですから。


陸上競技はオリンピック、サッカーはワールドカップという一般的にみてわかりやすい頂点があります。最初からそこを目指すのももちろんありでしょう。
しかし、陸上競技ならまずは箱根駅伝、さらには高校駅伝、サッカーなら地元クラブチームへの加入を目指し、そこで新たな目標に出会うというのもありです。
サッカーはそれをやろうとしているんだろうなと私は思っています。
結局は裾野の広さが大事。それを狭めるようなことをしてはならないです。