小田急は高速通勤輸送を実現できるのか?

小田急ダイヤ改正は鉄道ダイヤが好きな人にとってはたまらないようでというか実際たまんないんでネットにも多数の情報が出ています。そうなるとそういうのは他の人たちの分析を読んでるだけで手一杯になって自分で何とかしようとか思わなくなってしまうのが俺の悪いところです。
急行線と緩行線の使い方を分析したりしたら楽しいだろうなぁと思っていたけどすでにその楽しみを終えてる人たちもいるのでそれを見るだけでもおなかいっぱいになったりして。
これほど強烈なダイヤ改正は滅多にないのでまだまだ分析しがいがあるとは思いますし、昼間のパターンが想像とは違っていたりしたらまたおもしろいし。


ということで、俺は視点を変えてみました。
今回のダイヤ改正でポイントの一つとなっているのは小田急のスピードアップです。リリースを見ても町田新宿感で最大12分の大幅なスピードアップをうたっています。
実際に公開された時刻表を見るとやっぱり複々線効果は絶大で、しかも朝ラッシュのメイン優等種別を思い切って快速急行にしたことでかなりのスピードアップが実現されています。
さて、乗り入れ先の千代田線ですが、その逆の末端部は小田急に先行すること数十年前、強烈な速度で通勤輸送をしている路線があります。
常磐線です。


戯れに営業距離を見てみました。
今回ノンストップ運転を始める小田急線の登戸下北沢間が10.3Kmです。対する常磐線の松戸北千住間は10.5Km。ほぼ同じです。
公開された時刻表から、登戸下北沢間は9分から10分で走ることがわかります。9分何秒というところでしょうか。松戸北千住間も全く同じです。時刻表表記では9分から10分です。
常磐線の緩行に乗り慣れている身なので快速に乗るとワープ感が味わえます。それと同じ感覚が小田急線の快速急行でも味わえるかもしれません。


時刻通りに動けば……


常磐快速線はイメージと違って朝のラッシュ時はわりとダイヤ通りに動きます。北千住到着時点で常磐緩行線は5分遅れは標準的で、TXも電車によっては3分遅れが標準になっていますが常磐快速線はほとんど遅れません。
その要因は二つあります。
一つは途中駅に停車する列車が1本も存在しないこと。前の列車が駅に止まっていると後ろの列車は待つことになり、停車時間が延びるとその分遅れていきます。
その点、小田急はラッシュ時にも急行線を急行と一部区間を準急が共用することになるので遅れる要因となります。
もう一つは北千住の駅構造です。朝ラッシュ時は通常待避線として使ってる2番線を使った交互発着をしているため、前の列車の停車時間が延びても次の列車が駅の前で立ち止まることがありません。交互発着は本当に効果的で切れ目なく電車がやってくる感覚になります。
まぁ、その効果は限定的で緩行線綾瀬でもやってますけれどその先の渋滞が酷いから遅れ吸収の役にはあまりたっていなかったりします。
それでもやっぱりあるとないとでは大違いでしょう。
下北沢駅は設備として交互発着ができないので遅れる可能性が高いと考えています。
おそらくそれもあって急行線を下車や乗り換えには不便な下の方にしたんじゃないかなと想像していたりします。下北沢に用がある人はできるだけ緩行線を使ってもらって急行線の下北沢駅停車時間を短くしたいんじゃないかなぁと思っています。


ダイヤ改正後1ヶ月くらいは乗客も会社も運用に慣れないでしょうから間違いなくダイヤ通りには動かないでしょう。1年くらいたってどうなるのか。おおむねダイヤ通りに動くのか。実態に合わせた改正をするのか。
とても興味深いですがその時間帯に上りの小田急に乗る局面は一生来ないんだろうなとは思っています。