アニメ 「君の名は。」 感想

映画館に映画を見に行くという習慣はないので、地上波放送で初めて見てみました。


男女入れ替わりという俺の世代では「転校生」を想像させるこう言っちゃなんだけどありがちな設定という予備知識はありましたが、実際に見てみるとそこは実はこの物語のおもしろさの本質的なところではなく要素の一つというところだなと思いました。
もう10年以上前ですが、おもしろい物語、感動する物語ってなんだろうと考えながらここにつらつら思いつくまま書いていたときに、他の人にとってどうかはわからないけれど自分にとって感動する物語っていうのは「時の流れ」を感じさせる物語だってことに気づきました。
登場人物たちの境遇や心境が時間経過で変化していくことはもちろん、「死」を代表する決して巻き戻せない時間の流れ、あるいは逆に時を超える能力を持つことにより逆に強調される時の流れとか、わかっていても感動してしまいます。
そういう観点でいうと「君の名は。」はまさに時の流れを感じさせる物語なので感動するのは当たり前だろうなぁと思いながら見ていました。


最初非常にわかりづらく状況を説明していますがそのわかりづらさにも物語中盤からの時空のゆがみを効果的に際立たせるという効果があるのではないかと感じました。
男女入れ替わりという古典的な要素と時空を超えるというこれまた古典的な要素をうまいこと組み合わせて非常におもしろい作品になってます。余談過ぎますがこれでラベンダー持ち出してたら「時をかける少女」ジャンルになってもおかしくない。そういう意味では「君の名は。」 はさすがにジャンル化することはないのかなぁなどとどうでもいいことを思ってしまいました。


物語が複雑なこともあって登場人物は少な目で人と人との関係を追うのはそれほど難しくなく、なによりアニメーションで表現されていますが実写よりも精緻に思えるような映像もすばらしいです。
テレビの小さな画面よりもスクリーンで見ればもっと引き込まれるんだろうなぁ。