8.Google Analyticsについて

アクセス解析情報の利用法


強烈なツール。*1導入後まだ一週間程度だが、すでに有用な情報を得ることができている。導入可能で分析する時間がとれるならば強くおすすめしたい。Google Analyticsでは、個別のIPアドレスは表示されない。そもそもWebサイトへのアクセス解析で個人の情報は必要ない。必要なのはどういう行動をした人が多いのか、ある行動をした人は次にどういう行動を起こすことが多いのかという情報だ。
導入からの期間が短すぎるので統計的に意味があるデータにはなってない。いくつか気になったデータと実際の活用例をサンプルとして書いておく。なお、別の見出しで挙げた例はここでは割愛する。

新規ユーザーとリピートユーザーの訪問数

初めて読みに来た読者と前にもいらっしゃった読者の比率だと理解している。
このサイトの場合は約75%がリピートユーザー、すなわち「Webサイトはラーメン屋である」で書いたところの「常連さん」のようだ。特に水曜日は80%がリピートユーザーだった。特筆すべきは導入一週間程度でこの値になっているということ。例えば月単位でみるともっとリピートユーザー比率はさらに高まるのかもしれない。
今までにない、例えばこのサイトでは今回の記事のようなコンテンツをアップロードした際にはリピートユーザー比率は下がらなければならない。それができていないのなら、サーチエンジンなどで捕捉されづらいサイトになっている、あるいはそのコンテンツ自体またはコンテンツの持つ属性に集客力がないと推測できる。
なお、「読書感想文」というキーワードによるアクセスが大量にあった2006/8/27(日)のリピートユーザー比率は66.83%にまで落ち込んだ。というより、それでもまだ7割近くはリピートユーザーだったと言うべきだろう。長期間のデータがとれた後に様々な角度から比較してみる必要があるが、Webサイトのアクセス数を支えているのはリピートユーザー(=定期読者)だという仮説を裏付けるデータになることを期待している。

平均閲覧時間

読者が記事を読んでくれた時間。
このサイトのように長文が多いサイトの場合は非常に気になるデータ。データ取得方法が不明なので信頼性の評価ができないのが残念。しかし、十分目安にはなる。このサイトの平均閲覧時間は約3分30秒。*2コンテンツごとの閲覧時間を文字数データと併せて比較すると、より効果的な分析ができるはずだ。
なお、コンテンツの項で2006/8/4の記事が比較的読まれていると書いたが、その根拠となるデータがこれだ。その記事は平均2分間閲覧されていた。長文揃いのこのサイトでは比較的短い記事*3なのにこの数字がでたということは十分読んでもらえていると結論づけた。*4

閲覧開始ページの直帰率

他のサイトから来てそのページだけを見た閲覧者の比率。
このサイトで内部リンクを多用しているのはこの数字を下げたいという狙いがある。しかし、現状では65%とまだ高い。直帰するアクセスの中身は、毎日見に来てくださっている方と、うっかり来てしまって目的のコンテンツが見つからなかった方が混ざることが予想されるので数字の見方はなかなか難しい。
2006/8/4の記事は、他の記事に比較して直帰率が突出して高いことを予想していたが、むしろ他の記事より低かった。*5このデータを根拠にこの記事が「当たり」だと判断した。

検索キーワードカット 一訪問当たりのページビュー

キーワード検索でこのサイトにたどり着いた読者が、一訪問あたり何ページ閲覧したか。
このデータと前述の直帰率を見て「読書感想文 パクリ 無料」といったキーワードで来訪した読者が、このサイトの他の記事も見ている事がわかった。*6そういう読者からの需要に応えることができるかもしれないと思い、サイトの上の方に読書感想文系のリンクを追加した。しかし、追加後の一訪問当たりのページビューはむしろ減っているので、残念ながらこの方法は効果的ではなかったようだ。*7

ソース別の訪問数

来訪者がどこをクリックしてこのサイトに到達したかのデータ。
非常に特徴的なデータが取得できた。2006/8/18(金)から2006/8/22(火)まではサーチエンジンから来訪したアクセス数シェアが約40%と高かった。Google Yahooの順だった。2006/8/23(水)、2006/8/25(木)は、相互リンクしてくださっているサイトからの来訪が多く30%以上を占めた。また、シェアという形では目立った数字がでなかったが、お手元の「お気に入り」*8などから直接来訪する読者の数もこの二日間は他の曜日の二倍程度だ。おそらく水曜、木曜の二日間だけ来訪する読者が多数いらっしゃるのではないかと想像している。それがこのサイトの特徴だ。*9
そして2006/8/26(金)以降、夏休みが残り少なくなるにつれて、またサーチエンジンからの来訪が増えた。しかし、Googleがだんだんとシェアを落とし、Yahoo主体になってくる。*10仮説でしかないが、夏休み終了という特殊要因のため、普段インターネットをそれほど活用していない層がこのサイトに来訪した可能性がある。経験的にインターネットに慣れ親しんだ人ほどGoogleサーチエンジンとして使うことが多いと感じているからだ。サーチエンジンのシェア調査のような物があるが、毎日検索をする人、週に数回検索をする人、月に数回検索をする人、年に数回検索する人でグループ分けして取ったデータがあればこの仮説の裏付けがとれる。
このサイトのコンテンツ構成で、さらにこの時期でなければとれないデータを取得することができた。

その他

私自身まだ使いこなしているわけではない。もしかすると、まだ見つけていない機能として用意されているのかもしれないが、ドリルダウン*11が自由にはできないようである。あくまでも既成のアクセス解析ツールなので、企業など、アクセス数と利益が直結するサイトの場合には自前でアクセス解析ツールを運用した方が効果的なことはいうまでもない。
しかし、その場合にもデータの切り口、統計情報の見せ方などの面で、Google Analytics は大いに参考になると思う。

注意

ここで例に挙げたデータは2006/8/25時点での物だが、アップロード前に再確認したところ一部のデータが大きく変動していた。分析の際期間の設定ができるので有効に活用する必要があることを実感した。*12



*1:画面のハードコピーがあった方が説明しやすいですが、Googleが持っているノウハウの固まり的な物なので無用なトラブルを避けるため提示しません。ご承知おきください。

*2:意外としっかり読まれていると感じました。8/23のハヤテ記事は11分以上です。立派な時間泥棒っぷりだ。読むのに異様に時間がかかるこの記事の閲覧時間がどうなるのか。とぉーーーーっても興味深いです。

*3:たったの5561文字!十分長いよorz

*4:同じキーワードで到達する記事で内容が伴っていない 2006/1/22 は平均1分40秒です。この数字では両方の記事にそれほど差はないのですが…

*5:2006/8/17〜2006/8/25の期間の平均直帰率 64.25% 2006/8/4の記事からの直帰率61.08% 2006/8/23の記事からの直帰率(ハヤテ関連記事)78.74% 2006/1/22の日記からの直帰率(キラーワードでヒットするが内容がマッチしない記事)81.62% 記事の内容が直帰率に直接関与している可能性が高いと思います。

*6:そのままでは提出物になる感想文は無いと思うけど参考程度にはしてもらえているんでしょうか?

*7:2008/8/18 1.42 2006/8/25 1.27 前述したようにこれはむしろ逆効果の可能性が高いです。浅はかだったよ…

*8:昔のネスケならブックマーク。はてブがメジャーになっちまってIE語を使わなきゃならんのはつらい。これも時の流れか…

*9:感覚的にはわかっていたけど数字になると説得力ありますね

*10:このサイト上でGoogleとYahooがガチンコ勝負しているような錯覚を覚えるくらいでした。逆にそれ以外のアクセスはむしろ少なかった(笑)

*11:ある属性のデータをさらに別の切り口で分析するってこと。といってあってるかな?

*12:読書感想文関連コンテンツの数字が良くなっている。押し迫ってそれだけ真剣に読むようになったって事か?