JTB時刻表 2006年11月号

JTB時刻表 2006年 11月号 [雑誌]

JTB時刻表 2006年 11月号 [雑誌]

ずっと暖めてきたネタです。時刻表で読書感想文を書く!一度やってみたかった。
黄色いページ冒頭のニュースを見ると、日本という国がいかに自然災害に晒されやすいところなのかというのがよくわかります。自分に縁がないところではありますが、2004年から復旧していない路線が二つもあります。
さて、今月の時刻表を買った理由、それはいうまでもありません。
敦賀直流電化です。
記憶を頼りに書くと、もともと湖西線は永原・近江塩津間、北陸本線米原の先田村で交直切り替えをしていた。しかし、新快速を長浜まで運転するに当たって、北陸線の交直切り替えポイントを長浜に移設したという歴史があります。そして、ついに敦賀に移動。京阪神エリアを走る新快速がおおよそ1時間に一本とはいえ、敦賀に到達します。
交流電化と直流電化。鉄な人には釈迦に説法ですけどそうでない人もいるかもしれないので説明。
直流電化は電圧を変電所で1500V*1まで落としてそれを架線に流して電車を走らせる。変電所がたくさん必要だけれど、電車は比較的安く作れる。交流電化では電圧は20000V*2の電気を架線に流す。変電所は少なくて済むけれど、電車は比較的高価。
ざっくりいうと、たくさんの電車を頻繁に走らせる場合は直流電化がお得で、走る電車が少ない場合は交流電化がお得ということになります。新幹線が交流なのはたぶん別の理由。ちゃんと調べてから書いているわけじゃないけれど、必要な電力が大きいから、電圧が低いと大電流を架線に流さなければならなくなることが問題なんじゃないかな?電圧×電流=電力だよね。確か。
まぁ、話を戻すと、交流電化をした場合、走る車両が高価になりがちということです。
で、京阪神エリア。このエリアは基本直流電化。最近電化された山陰線とか、陰陽連絡線各種もみんな直流。っていうか、JR西日本エリアはみんな直流。北陸本線を除いて…。
もし、北陸本線が直流になったら、JR西日本は自分のエリアだけを走らせる限りに置いては交流用の在来線車両を持たなくてもよいということになる。とはいえ、交流電化の路線を直流電化に変えるのもまた大変。敦賀という需要が見込めるところまでを京阪神近郊エリアとして直流電化したんでしょうね。


さて、交流は電車が高くつくから頻繁運転するとかえってコスト高になるということですが、交流電化でも頻繁運転をしているところは日本に多数あります。

そして…

私は常磐沿線にいるから交直両用の電車や機関車をいっつも見慣れていますけれど、新幹線の開業後は長距離特急がほぼ壊滅したため、首都圏の他の地域では交直両用電車はなかなか見ることが珍しい電車になっています。*3
常磐線が交流電化されたのは他の地域とは違い経済的な理由ではありません*4。柿岡というところに地磁気観測所があり、直流電化をするとそこのデータに致命的な影響が出てしまうからです。移転したら今までのデータがパーになってしまうらしい。世界でも数カ所しかない重要な観測拠点らしい。なので、TXも守谷以遠は交流だし、関東鉄道はいつまで経っても電化されない。
もし、その障害がなければ、水戸、あるいはいわき(旧平)あたりまでは直流電化が選択されていたかも。そうなっていたら取手以遠の開発はもっと早くに進んでいたんでしょうね。


敦賀まで直流電化されて、近江塩津の謎の配線もその本領を発揮しだしたみたいです。関西の鉄ヲタがうらやましい今日この頃です…。

*1:一部私鉄・路面電車ではもっと低いけど

*2:新幹線は25000V

*3:EF81とかは他のところも走ってるんですかね?

*4:仙台や札幌・九州も経済性というより周りのエリアとの整合性を重視した結果かもしれないけれど