いろいろつじつまが合う千歳線新千歳空港ルート変更

新幹線と空港アクセスの間でJR北海道の進路がなかなか定まらないという感想はともかくとしてなるほどなぁとは思いました。




千歳空港を「毎週の通勤」で使っていたので少しは事情がわかります。実際問題として新千歳空港駅から乗って南千歳で降りる人の絶対数は札幌方面に向かう人たちに比べればたいしたことはありません。しかし、北の大地の特殊事情というところがあって、北海道の基幹空港である千歳と各都市を「鉄道で」結ぶ需要というのは決して無視ができないでしょう。
誤解を招かないようにというか自分が誤解をしていたのですが、冬場の鉄道は北海道でも遅れまくります。余裕かましてぎりぎりの列車で千歳空港に向かうと乗り遅れることだってあります。それでも高速バスを含む道路交通に比べればまだ安定しているので未だに需要は衰えていないということだろうなと想像しています。
南千歳駅は2面4線の立派な駅ですが、周りはかなり何もないところで待ちが発生するとつらいだろうなぁと思います。だから新千歳空港駅から直接帯広苫小牧方面に向かえるというのは利用者にとってよいことだろうなと思いますね。駅前のアウトレットにとっては大打撃かもしれないけどそもそもみんな車でいくだろうしなぁ。


ただ、気になるのは開業後の運行体制です。新千歳空港駅は1本待てば確実に座れるという大きなメリットがありました。札幌市内からの帰りは高速バスを使うこともありましたが、千歳から札幌市内へは結局1度も高速バスを使いませんでした。15分に1本走ってるから時刻表を調べる必要もないし、俺の場合その後も新さっぽろから地下鉄東西線で座っていけるし、ちょうど新札幌でお昼ご飯も食べられるし。(ひらがなと漢字の使い分けにちょっとこだわってみた)


この計画が具体化すると札幌から新千歳空港に向かう需要に今までは戦力外だった帯広釧路方面の特急列車と室蘭函館方面の特急列車も戦力化することもできます。
それをすると新千歳空港からの乗客が乗れない心配はあるかもしれませんが、それは今でも事情は変わらなくて、札幌から南千歳の間空席だったところを有効活用できるという考え方になります。
この区間、特にラッシュ時は恐ろしく混むんですよ。快速は通勤通学の人と旅行者でカオスになります。少しでも快適に移動したいという需要はあると思いますね。


さて、この計画に邪魔だったものがあります。それが美々の駅。千歳空港の滑走路裏みたいなところにあるのに周りには大きな集落がないといういかにも北海道らしい雄大さを感じるところではありますが、各駅停車が止まる以上この駅をスルーすることはできません。それが信号所になったことにより新千歳空港と「旧」千歳空港の滑走路の間をまっすぐぶち抜く路線だけを建設すればよくなったという事情が大きいんじゃないかなぁと想像しています。


Google Mapをみれば明らかなように、千歳空港はターミナルビルを拡張する準備はできています。滑走路を増やす余力はありませんが、防衛面での機能との難しい兼ね合いはありますが、「旧」千歳空港を活用するという方法も水面下では模索しているかもしれません。
新幹線ができれば東京と札幌との移動に選択肢はできますが、青函トンネルをもう1本ぶち抜くとか表沙汰になっていない驚愕の新技術が開発されているとかなければ、おそらくは第一選択肢は飛行機になるでしょう。また、千歳空港の位置は北米や欧州に向かうことを考えると大圏航路としては優位性があるためハブ的な使われ方をする可能性だってあります。
そんな夢がある空港へのアクセス路が増えるというのはこれまた夢のある話ですね。