都市と扇状地

職場の近くに工事現場がありました。豊平川からさほど距離がない所だったのですが、少し掘っただけで砂礫層にぶち当たっていました。
札幌は地盤がいいんだなぁ。そしてそれも大都市として発展した一つの理由なのかなぁと思った次第です。




札幌は豊平川扇状地に広がる都市です。北部は石狩川の氾濫原や自然堤防帯にもかかっているけれど中心部は扇状地ですね。
地理の授業で扇状地というのは比較的土地利用が難しい地形だと習っていました。水の確保が難しい。その割に水害に現れることも多い。そこそこ傾斜がある。しかし、札幌を見ると地形と気候によっては都市を造るのに最適な場所になることもあるんだろうなと認識を改めました。
先人たちの努力によって豊平川の流れは制御され、治水、利水両面で札幌に恩恵をもたらしています。利水が難しいということは裏を返せば水はけが良いと言うこと。水を手に入れる手段が有りさえすればむしろ生活がしやすい場所になります。
気候面では今ひとつ理由はわからないけれど周りの都市に比べれば積雪量が少ないんですよね。それは最近話題のヒートアイランド現象による物なのか、そもそもの地形ポテンシャルによる物なのか、俺には結論付けることはできませんが。それでも200万都市としては異様な積雪量を誇ってはいます。いやぁびっくりしたもんね。


話を扇状地に戻しましょうか。


別記事で書いた地下鉄の構築でも、扇状地であると言うことがプラスに働いていると思うんですよ。東京の下町を走る地下鉄は地盤が悪いからあんまり深くなくてもシールドなんですよね。ところが札幌では開削でがんがん掘れてる。その理由の一つとして扇状地であるが故の地盤の良さがあるんじゃないですかね。


そんなことを思うとですね。もし首都機能の移転をするなら扇状地であることを条件にしてもいいのかなぁと。たとえば那須の原とか。もちろん、他にもリスク要因はたくさんありますけど一つの評価基準としてはありなんじゃないかなぁ。